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2016年3月30日 (水)

今野晴貴ブラックバイト論@『現代思想』4月号

少し前に、某ブログで「「現代思想」のような雑誌を「総合雑誌」といいます」とあったので、いやいやそれは違うでしょ、といちゃもんをつけたことがありますが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-c74c.html(総合雑誌?)

私の知る限り、総合雑誌とは『文藝春秋』『中央公論』『世界』『展望』といった政治経済系の評論を中心とする雑誌の謂であって、その亜種がいわゆるオピニオン誌であり、文学評論やら哲学やらのこ難しい屁理屈の一杯詰まった『現代思想』とかのたぐいは、ある時期にはニューアカ雑誌とか呼ばれていましたが、分類すれば『思想』とか『理想』などの哲学雑誌のたぐいであって、少なくとも総合雑誌などとは呼ばれていなかったことだけは間違いないか、と。

いや確かにここ数年、『現代思想』誌が時々教育問題とか労働問題といったトピックを、それもかつてのようなやたら哲学的ジャーゴンの一杯詰まった読んでもよく意味のわからない論文ばかりではなく、まさしく総合雑誌かな?と思われるような視角からの論文が結構載るようになったりしているので、まったく間違いではないと言えるようになってきているのかも知れませんが、少なくとも、バブル期に学生たちが総合雑誌離れした云々の話に持ち出すにはあまりにも不適当ではないか、と。

この後半で言っているように、近年はこの『現代思想』という雑誌、けっこう社会問題を(むかしのようなセカイ系ではなく)まさにシャカイ系の問題意識で持って取り上げるようになってきています。

97847917132022月号が「老後崩壊」だったかと思えば、4月号が「教育クライシス」で、対談が内田良さんと大内裕和さんで、今野晴貴さんや笹山尚人さんも登場するという具合で、まことにソーシャルです。

http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791713202

ここでは、おなじみ今野晴貴さんの「ブラックバイト問題を「労働」から読み解く」を紹介しておきます。これは、おそらく来月発行される今野さんの『ブラックバイト』(岩波新書)のエッセンスに当たるところだろうと思います。

いくつかの事例を紹介した後、今野さんはまずブラックバイトを生み出す労働の変化を見た上で、なぜ学生の方がそれを受け入れるのかを論じ、仕事への責任感、「想像の職場共同体」と経営への人格的統合、「人的資本への投資」としてのアルバイト経験を挙げ、それが学生の立場の喪失をもたらしていくと論じていきます。端的に引き締まったいい論文です。

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