建設労働の法政策@『季刊労働法』252号
『季刊労働法』252号がとどきました。前にここでも紹介したように、特集は「制度発足70年・労働委員会制度を考える」、第2特集は「職場における精神障害とその法的救済」です。
http://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/3903/
私の連載「労働法の立法学」は42回目、テーマは「建設労働の法政策」です。
建設労働は港湾労働と並んで、有料職業紹介事業と労働者派遣事業が禁止されている二大業務の一つです。このうち港湾労働については239号で、労働法の立法学の第30回として取り上げましたが、建設労働についてはそのずっと以前に209号でシリーズ第6回「労働者派遣と請負の間-建設業務と製造業務」でごく部分的に取り上げたことがあるだけです。建設労働をめぐっては労働市場規制の外にも雇用管理や安全衛生・労災補償などさまざまな観点からの政策が講じられてきている割に、まとまった形で全体を一望できる論文は見当たらないようなので、歴史的な変遷を中心に概観してみたいと思います。
1 労災補償から始まった建設労働政策
2 その他の戦前・戦中の建設労働政策
3 労働者供給事業の全面禁止と建設業界
4 労務下請の復活
5 労働基準法と労災保険法
6 失業保険法・雇用保険法
7 災害防止と労働安全衛生法
(1) 建設業労働災害防止協会
(2) 建設業の特別安全規制
(3) 労働安全衛生法
(4) 労働安全衛生法の改正
8 建設業退職金共済組合
9 改正建設業法
10 雇用関係近代化への検討
(1) 政府の検討
(2) 建設業界の検討
(3) 労働組合サイドの建設労働法案
11 建設雇用改善法
12 その後の建設労働に関する検討
13 労働者派遣・有料職業紹介のネガティブリスト
14 有料職業紹介事業と労働者派遣事業の部分的導入
« 森戸英幸『プレップ労働法 <第5版>』 | トップページ | 大内伸哉『勤勉は美徳か?』 »
コメント