著者は実に時代に順応している
「にこブツ」さんの「病床メモ」というブログで、拙著『若者と労働』が取り上げられていました。
http://blog.livedoor.jp/nikonikobutubutu/archives/52139213.html
「若者と労働」(濱口桂一郎著)読了。「入社」の歴史が示されている。「金の卵」時代は著者にも実感がなく(著者は1958年生まれ)触れられていないが、中学生の入社には職安が関与したこと、高校生の入社には学校の先生がキーパーソンだったことなど懐かしく思い出しした(そこらが労務係の接待相手だった)。エントリーシートあたりから私は時代に取り残されたのだな、と感じた。・・・・
このブログ主はかつて新卒採用担当の人事労務係の方だったんですね。
・・・・彼はこの時点で非正規社員から不安定さを取り除いた「ジョブ型正社員」を提起する。それは一方では(ここがユニークなんだが)、幹部候補でない正社員の受け皿でもある。いわゆるキャリア・ノンキャリの話だ。彼はそれに対応する教育制度も視野に入れている(組織が大きくなっても幹部の数は増えないので、組織数の減っていく時代にはキャリア市場はドンドン縮小されるのだ)。どこまで意識しているのか知らないが、日本は過剰な期待感に溺れていると言いたいのだと思う。それが無意味で過酷な競争と疎外を産んでいる。著者は実に時代に順応している。
拙著のスタンスについては、「著者は実に時代に順応している」という褒められているようなそうでもなさそうな微妙な表現です。
・・・・まあ書名は「若者と労働」であって、「老人と労働」ではないわけだ。
その後『日本の雇用と中高年』というのも出しておりますので、もしよろしければご一読いただければ幸いです。
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