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« 加藤恵津子, 久木元真吾『グローバル人材とは誰か』 | トップページ | 欧州社会的権利の柱一般協議 »

2016年3月 9日 (水)

予約数: 38 予想待ち時間: 6か月程度

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5さいたま市図書館の新着情報によると、

http://libsaitama.blog.jp/archives/56301414.html

働く女子の運命
濱口 桂一郎
文春新書

Amazonでの評価:(4.7/5.0)
予約数: 38
予想待ち時間: 6か月程度

いささか目を疑いましたが、こんなちっぽけな本1冊に「予約数: 38 予想待ち時間: 6か月程度」ですか・・・。

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コメント

「買えよ」な話ですよね。

また自分語りになってしまいますが思うところあって以下また語らせていただきます。自分は日本のアニメを外国人にどう説明するかを前から研究テーマにしてきました。この国のアニメ業界の労働環境がいかにむちゃくちゃであるかについてはすでに論じたとおりですし、英語でも今度やる予定なのですけど、『働く女子の運命』を読ませていただいてから、この本を足掛かりに今度はアニメ作品世界内の雇用システム分析を英語でやってみたいなーと思うようになりました。

『プラネテス』というアニメを今見ています。2075年つまり未来のお話ですが、制作当時(2003年)の日本の企業の雇用形態そのままなのがとても印象的です。第一話がここで無料視聴できます。http://www.planet-es.net/ 無断アップではなく公式のです。制作会社はガンダムと同じところです。

人種入り混じる巨大宇宙ステーションが舞台ですが実態は三菱とか住友とかの巨大企業の本社ビルで、そこに鈍くさい新入社員がOL(!)として送られてきて、一番下っ端とされる部署「デブリ課」に配属されて・・・という感じに、未来の話なのに現代の生活感をあえて踏襲する作りになっています。手塚治虫も『鉄腕アトム』でそういうのやってますが、このアニメはもうはっきりとそういうの狙ってやってるのがわかります。『踊る大走査線』の宇宙開発版というか。

女子社員についても、日本でいう「総合職」系のひとたちと「一般職」系とでは部署が違うように描かれています。主人公(ですよね)の女の子はもろに一般職系で、同期入社の同性の子たちとお昼の時間になんか愚痴ってたりしてます。派遣社員の女性までいるのには笑いました。凝ってるなーって。

アニメや特撮ものでの女性の扱いをフェミニズムの視点から分析したものなら過去にあります。ただ男=加害者/女=被害者の構図ですべてを説明してしまうのが前から不快でした。その手の論者はたいてい大学の正規雇用教師か論壇系、つまり「女」といっても中流高学歴家庭出身なのです。ボーボワール以来の伝統なのか、きまってこの人種。日本のアニメや特撮のジェンダー偏りが大きいのは事実として、それを断罪する女も実は同じジェンダー偏りの上にあぐらをかいてる「勝ち組」による「負け組」啓蒙(=自分たちの特権階級化)にすぎないんじゃないか…前からそんなことを考えています。

男/女ではなくジョブ/メンバーシップの二分法でアニメを論じなおすと、作っている人間や視聴する人間だけでなく、外野から論じている(つもりの)人間たちについても逆照射できるかもしれない――まだうまくことばで説明できないでいますが、とにかくアニメ研究の新境地がそこに見つかるかなーとこのところ悶々としております。

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