なんだかすごくじわじわエピソード的
今までも拙著を評論していただいてきている「細波水波」さんが、『働く女子の運命』にもやや長めのコメント。
http://yaplog.jp/mizunami/archive/674
hamachanの新書ももう5冊目。分野別が中高年・若者ときて今度は女性。ちなみにどーでもいいことですが、岩波、日経、ちくま、中公、文春とラインナップがバラバラなのはなぜだろう。ぶれずに同じ話なのですが、書名には出版社カラーが出る気がします(笑)。
タイトルは編集者との合作ですから(笑)。
この本の主たる魅力は、戦前から女性監督官がいたなんて知らなかったよ~!!とか、そういうエピソードの数々が第一かなと。若年定年制や、その当時の会社側主張などは(私には)なじみのある話だったので「ふんふん」くらいの感じですが、こういうことを「大学で労働法や労働経済の講義で学ぶ(しかもそれなりに突っ込んで学ぶ)」以外の機会に知ってもらうことができるのは、ものすごく貴重なことだと思います。長期勤続のメンバーシップ(という言い方ではないにせよ)に(多くの場合自発的に≒社会システム的に)入らないことが女性の低賃金(のみならずそれと表裏一体/ニワトリタマゴの別コースなど)の原因であるということが、ずいぶん昔からその時々の女性の(別に男性でもよかったんでしょうが)官僚や研究者の言葉で指摘されてきていたということとか。・・・そう、「文献の引用」がなんだかすごくじわじわエピソード的なんですよね。それはhamachan先生の意図なのか、読む私が女子だからなのか、原資料を書かれた方の切なる思いなのか。均等法をつくる、そのうち大河でやりませんかねぇ。
そうそう、実はこの本の隠れた狙いは、あんまり人に知られていなさそうな昔のエピソードをほじくり返してきててんこ盛りにして、それでもって女子の歴史を伝えるということなんです。
ニッポン初の女性監督官谷野せつなんか、大河ドラマとまではいいませんが、朝の連続テレビ小説あたりで取り上げてくれると嬉しいな、と。
彼女の出た戦前の日本女子大学ってのは、今放映中の広岡浅子が作った大学だったりするので、つながりはあるし。
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