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2016年2月25日 (木)

松尾匡『自由のジレンマを解く』

9784569829678松尾匡さんより新著『自由のジレンマを解く』(PHP新書)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82967-8

人間関係が固定的で、個人の責任とは集団の中で与えられた役割を果たすこととみなされる「武士道型」の社会から、グローバル化によって人間関係が流動的な「商人道」型の社会に移行している現代においては、個人の責任は自らの自由な選択に対して課されるようになる。このような時代にフィットすると思われる思想はリバタリアンの自由至上主義であるが、リバタリアンは福祉政策にも景気対策にも公金を使わないことを主張することが多い。これらの政策はいかにして正当化されるのか。また、様々な文化的背景を持つ個々人の「自由」の対立は解決できるのか。かつてマルクスは、文化の相違をもたらす、人間のさまざまな「考え方」による抑圧を批判し、単純労働者による団結・調整により自由は現出すると考えたが、労働の異質化が進んだ現代ではその展望は実現しない。しかし、アマルティア・センの提案が大きなヒントになる――。俊英の理論経済学者が、現代の新たな自由論を構築する。

ご存じシノドスの連載をまとめたものですが、初期の名著『近代の復権』の一般向け普及版という趣もあります。とりわけ後ろの方になると、マルクスの疎外論の本質を滔滔と説いていまして、懐かしく読みました。

私とのやりとりも収録されている第1章から、リベラル、リバタリアン、コミュニタリアンをなで切りにしていく真ん中あたりまでは、割と気楽に読めると思うのですが、最後の方に近づいていくと、松尾さんのいう「疎外のない社会」のイメージが、なかなか伝わりにくいな、という印象もあります。とりわけ、最後の章の「培地」と「ウイルス」の比喩は、なかなか感情移入しにくくて、読者に若干の違和感を残しそうな気もします。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_2040.html(松尾匡さんの「市民派リベラルのどこが越えられるべきか 」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_9944.html(松尾匡さんの右翼左翼論)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_bd6d.html(松尾匡「はだかの王様の経済学」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-be58.html(松尾匡『不況は人災です』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-7471.html(松尾匡さんの人格と田中秀臣氏の人格)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-62b1.html(松尾匡『図解雑学マルクス経済学』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-4298.html(「ショートカット」としての「人類史に対する責任」@松尾匡)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-b671.html(松尾匡センセーの引っかけ問題に引っかかる人々)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-efe7.html(松尾匡『新しい左翼入門』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-5d20.html(松尾匡さんの絶妙社会主義論)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-26a5.html(松尾匡さんが、TPPの俗論を斬る!)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-79a6.html(松尾匡『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-4c85.html(松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』)


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