脊髄反射の罪
佐々木俊尚さんがツイッターでプチ炎上しているらしいと聞き、見に行くと、なんとその火元は拙ブログの記事へのコメントでした。
「炎上」したのはこのツイートですが、
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/698705056728649729
憲法を守っているだけでは国は運営できませんよ。
これは、「風鈴」氏のこのツイートに対するリツイートで、
https://twitter.com/bluemoon356756/status/698704777752936448
代替案?憲法を守れということですよ。
これはさらに佐々木さんのこのツイートに対するリツイートで、
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/698646109544128512
官僚政治や保守支配を打破すれば民主主義がやってくるかと期待したら政治の均衡が失われただけだったという嘆き。悪者を倒すだけで代替案がなければそりゃそうでしょ。/宮本太郎山口二郎『リアル・デモクラシー』または憂しと見し世ぞ今は恋しき
そう、この佐々木さんのは本ブログのこのエントリへのコメントだったのです。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-2dac.html(宮本太郎・山口二郎編『リアル・デモクラシー』または憂しと見し世ぞ今は恋しき)
とすると、この「炎上」の原因を作った犯人も明らかです。
佐々木さんのツイートが、どういう文脈での言葉であるかを全く分からず、また分かろうともしないまま、脳みそをひとかけらも使わない脊髄反射で「代替案?憲法を守れということですよ」とリツイートした「風鈴」氏にあります。
いやもちろん、文脈によっては、「代替案?憲法を守れということですよ」という短い言葉が何よりも端的な寸言になり得るような状況もあり得ます。
しかし、少なくとも、拙ブログの上記エントリへのコメントとしての佐々木さんのツイートに対する言葉としては、これは全く意味をなさない。
憲法を守れって、誰に向かっていっているのか?
利益集団政治を批判して結果的にポピュリズム政治を招いた山口二郎氏らに対して?
改革ポピュリズムに乗って利益手段政治を叩いた小泉元首相らに対して?
さらにまた改革ポピュリズムを振り回し続けた(いる)みんなの党とか維新の党とか、もろもろの「改革」派政治家に対して?
それともそういう改革政治こそが憲法の趣旨に沿っているんだからもっとやれ、と。つまり利益手段の側に対して?
なんにせよ、ここで問題になっている構図において、「憲法を守れ」という言葉が、どういう意味を持ちうるのか、そこのところが一向に不明だし、おそらく「風鈴」氏はそんな難しいことは何も頭にはないのでしょう。
そういう、脳みそをひとかけらも使ってない脊髄反射に対して、佐々木俊尚さんがキレた。
キレて、つい舌っ足らずのリツイートをしてしまった・・・・。
というのが、このプチ炎上劇の実相ということであったようです。
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ツイートとは見知らぬ者たちによる初期の無秩序状態がそのやりとりによって次第に自己組織化することで終焉を迎えるフェードアウトし、次へ移るインフルな現象。
ツイートとは一見、二項対立されていることを所与に機能し始まり、その参加者の知的力量に左右されながらも次第に必然的細分化され出すと、結局は参加者の知性のレベルに自己相似し、それをフラクタルという。
なんとも、いやはやなツールで遊ばれますなぁと思う「ツイート仮説」でした。
遊んだ後はちゃんとお片づけしましょうね。
投稿: kohchan | 2016年2月16日 (火) 11時46分