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2016年2月23日 (火)

高尾総司『完全攻略! もう悩まない ストレスチェック制度』

9784897615882500_2高尾総司さんより近著『完全攻略! もう悩まない ストレスチェック制度』(労働新聞社)をいただきました。

https://www.rodo.co.jp/book/9784897615882/

高尾さんについては、本ブログでも何回か取り上げてきましたのでご存じの方も多いと思います。

その高尾さんが書くのですから、そんじょそこらのお手軽な解説本になるはずがありません。

高尾さんから言わせれば、そもそも企業が親代わりになって健康診断から事後措置からやるという「前近代的構造」が問題なのです。企業は業務管理の観点から「高負荷」対策をすべきなのであって、医療的な観点から「高ストレス」対策をすべきではない、と。

で、今回の制度は、紆余曲折を経て労働者の自己選択が強化されたことによって、「ある意味の先進性」ができたと、やや皮肉に評価しています。そうなったんだから、企業はいっそ割り切って、個人向けストレスチェックと集団分析用ストレスチェックを完全に分離し、前者は完全に労働者の自由に委ねて、受検勧奨等は一切行わない。後者は業務の一環として、無記名で全員に実施せよ、と。

多分、この制度を政治レベルでやりだした頃のイメージとは全然違う話になっていますが、逆にここまで変形してしまった以上、メンバーシップ感覚溢れる親心の政治(@京極純一)ならぬ親心の経営とはきっぱり切り離した制度と位置づけて実施していくというのは、頭の整理としては大変すっきりするのは間違いありません。

本書のはじめの方が、ここで立ち読みできるので、是非ご一読を。

http://mixpaper.jp/scr/viewer.php?id=56c40c94c8a68





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コメント

「松尾匡さんとのやりとり」での、はまちゃん先生のコメントと本エントリーのコメントは時差もないため、あれやこれやでひっちゃかめっちゃかなスケジュールをこなす私にもうまい具合にシンクロして読めました。
しかし・・・予防原則にお思いっきり力む医療を供給する立場側に存在する者として、個の自立(自律)がそもそも教育されてもおらず大人も子どもも年齢に関係なくなんとも心許ない現状では、ご著書者批判の元でもあろうメンバーシップ型雇用に存在する優位的な、歴史遺産的な、なんと申しますか、「みんな一緒だ!パターナリズム」っぽい親心システムでもいいから、早期受診してね!って気持ちです。みなさんギリギリまで我慢されて、結局そこからは自己責任が始まり、そこには社会からのフォローは少ないというのが、特にメンタルヘルスを行う診療の限界性と社会制度未整備が相まって悩むところですねえ。興味深いエントリーです。

書籍を読んでいませんが・・・。
労安法の健診義務は、もともとは「結核の蔓延防止」が目的だったと思います。胸部エックス線検査はまさにそのためで、今も残っています。
これに血液検査が追加になったのが平成元年で、目的は過労死の予防だったはず。「過労により増悪」してしまう個人の基礎疾患を把握するため健診項目が追加になりましたが、この「血液検査」への反発はかなりのものがあったと聞きました。差別問題(けがれ)が背景にあったためで、医師の判断によりどの血液検査項目も省略できるような措置が取られました。今では、γ-GTPが高いとか、血糖値がやばいとか、ネットで普通に発言されるぐらい、血液検査を受けることにそれほど抵抗はないと思いますが、そうではない時期があった、ということです。
で今、ストレスチェックですが、これも過労死予防で、精神疾患あるいは精神状態を専門家による第三者の視点で確認するものです。これまで労働者の申し出によりやっていたのですが、それは何でかというと、使用者が特定の労働者を指定して精神状態をチェックできるようにするとそれを口実にやめさせるまでの道筋ができるから、それをさせないためですね。でもそんな申し出をするような労働者は出ず、精神疾患による過労死は減らず、結局全員に義務付けるしか手立ては残っていなかったのではないかと思います。
ストレスチェックへの抵抗感の高さは、「精神疾患は遺伝する」思いがあるためではないかと思います。厄介なのは、身分の差は血の違いが原因だ、というのが迷信・思い込みに過ぎないのに対し、精神疾患の遺伝可能性はある程度は否定できないところでしょう。こう書いている私自身が差別“する”側に立っているような気もします。

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