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2016年2月 9日 (火)

労働開発研究会第2701回「現在の紛争解決の実態」

Photorkk 労働開発研究会の第2701回「現在の紛争解決の実態」が来週月曜日2月15日にあります。

http://www.roudou-kk.co.jp/seminar/workshop/3579/

第2701回「現在の紛争解決の実態」 ★オンラインセミナー対応

2016年2月15日(月)15:00-17:00

―個別労働関係紛争の経緯と実際の紛争解決における内容と解決金額等―

 解雇や労働条件の引き下げといった問題をめぐり、個々の労働者と使用者との間で生じる紛争については、労働局のあっせんや労働審判、民事訴訟など様々な解決手段が用意され、実際に利用されております。

 また、JILPT(労働政策研究・研修機構)において、「「日本再興戦略」改訂2014」に基づいて実施された「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」の結果等から厚生労働省では、個別労働関係紛争の解決状況における、解決状況確認ツールを公開しました。

 通常、解雇を始めとする雇用終了に関しては、裁判に持ち込まれ、解雇権乱用法理に基づいてその効力が判断され、日本の解雇規制は厳しいというイメージを抱いておられる方も多いと思いますが、現実の労働社会においては、時間と費用のかかる裁判に持ち込まれない膨大な数の解雇その他の雇用終了事案が発生しております。

 今回は労働政策研究・研修機構の濱口先生を講師にお招きし、労働局のあっせん、労働審判の調停・審判及び民事訴訟の和解についてを詳細に分析したJILPT調査をもとに、今日の日本の労働社会において日常的に発生している雇用終了と紛争解決の実態を、ありのままに認識し、職場のありようを考えます。ぜひご利用下さい。

Koyoufunsou 内容は、去る1月末に刊行されたばかりの『日本の雇用紛争』の概略です。

本書は、2015年5月に公表した労働政策研究報告書No.174『労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析』をそのまま第2部として収録するとともに、その研究で用いた労働局あっせん事案の内容分析を第3部とし、併せて法政策の推移を第1部として一冊の書物にしたものである。

第2部の研究は、2014年6月24日に閣議決定された『「日本再興戦略」改訂2014-未来への挑戦-』において「労働紛争解決手段として活用されている「あっせん」「労働審判」「和解」事例の分析・整理については、本年度中に、労働者の雇用上の属性、賃金水準、企業規模などの各要素と解決金額との関係を可能な限り明らかにする」とされたことを受け、労働政策研究・研修機構において厚生労働省及び裁判所の協力を得て実施した調査研究である。その対象は、労働局あっせんについては、2012年度に4労働局で受理した個別労働関係紛争事案853件であり、労働審判については2013年(暦年)に4地方裁判所で調停または審判で終局した労働審判事案452件であり、裁判上の和解については2013年(暦年)に4地方裁判所で和解で終局した労働関係民事訴訟事案193件である。この研究担当者は、本書の著者である濱口桂一郎(主席統括研究員)と高橋陽子(研究員)の二人であった。

 この研究に当たり、労働審判と裁判上の和解については、上記二人の研究員が裁判所内で、労働関係民事訴訟及び労働審判記録を閲覧の上、持参したパソコンに収集すべきデータを入力するという手法で資料収集を行ったため、第2部で用いている数値化されうるデータ以外に質的データは収集されていない。これに対し、労働局あっせんについては、労働局で受理したあっせん事案の記録(「あっせん申請書」、「あっせん処理票」、「事情聴取票(あっせん)」、「あっせん概要記録票」及び添付書類)について、当事者の個人情報を抹消処理した上で、その提供を受けているため、紛争事案の内容を分類分析するために必要な質的データが得られている。そこで、本書第3部において、紛争の類型化に有用な限りで、できるだけ事案の特徴を明らかにするような形で分析を進めていくこととした。

 この部分は、2012年にJILPT第2期プロジェクト研究シリーズNo.4として刊行された『日本の雇用終了-労働局あっせん事例から』の全面改訂版と位置づけられる。ただし前回は、2008年度における4労働局のあっせん事案1,144件のうち、過半数の66.1%を占める雇用終了事案(解雇、雇止め、退職勧奨、自己都合退職など756件)を取り上げ、雇用終了理由類型ごとに詳しくその内容を分析したものであったが、今回は雇用終了事案に限らず、全事案853件を対象として分析を行っている。  本書が、雇用紛争をめぐる諸課題に関心を寄せる多くの方々によって活用されることを期待する。

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