でもこの本は外れかなぁ
久しぶりに、7年前の拙著『新しい労働社会』への評が「rollikgvice's blog」というブログに。
http://rollikgvice.hatenablog.com/entry/2016/01/04/004821
でもこの本は外れかなぁ。
やっぱり労働法の流れをいつも掴ませてはもらっているんだけど、何かいつも、丁寧に法の流れは終えるけど、それ以上の濱口らしい思考はあんまり感じていないんだよ。そしたらこの本も同じだった。
副題にある「雇用システムの再構築」っていってもそんなに大げさなことは書いていなかったしなぁ。
いやまあ、「そんなに大げさなこと」をごまんと書けば、ある種の読者の方々にはほくほく売れる本ができあがるとは思いますけどね。
ただ、それでは肝心の、労働社会の今後の筋道を「現実的に」「リアルに」考えるってところがすぽっと抜けてしまいますからね。
まあ、それでいいのだ、本なんて読んでる最中気持ちがよければいいのだ、という考え方もあるとは思いますが、それはあえて「外れ」されてもらっています。少なくとも私にとっての「濱口らしい思考」ってのはそこにあるので。
調子に乗って現実にやれもしないようなことは書かない。
認識論はラディカルに、実践論はリアルに。
先日の上野千鶴子さんとの対談で、認識はほとんど一致しているのに云々、というのも同じ話でしょう。ちなみにこの対談はそのうち文春のサイトに出る予定です。
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