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2016年1月28日 (木)

本庄淳志『労働市場における労働者派遣法の現代的役割』

215929本庄淳志さんより大著『労働市場における労働者派遣法の現代的役割』(弘文堂)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.koubundou.co.jp/book/b215929.html

 急激な少子高齢化を迎えている日本で、将来に向けて労働者派遣制度をどのように再構築するかは、立法政策として待ったなしの最重要課題であり、本法は2015年にも大幅な改正が行われました。
 本書は、日本の現状を法的視点から再整理し、従来の、直接雇用を重視する観点から伝統的に常用代替の防止を中核としていた規制を見直し、個々の派遣労働者の労働条件に応じた規制展開の必要性を説いています。また、外国法(オランダ法・ドイツ法)との比較を通して、本制度の普遍的要素と固有要素を明らかにした上で、今後求められる労働者派遣制度のあり方を提言します。

本庄さんはご存じの通り、オランダ労働法のほとんど唯一といっていい専門家であるとともに、日本の労働者派遣制度について大変エネルギッシュに発言してこられた若き研究者でもあります。

本書は、400ページを超える分量のうち、日本の話とオランダ・ドイツの話がほぼ200ページずつという案配で、日本の派遣法についての「本庄節」もたっぷり味わえるし、オランダ・ドイツの専門的な知識も得られるというお得本です。

第1章 問題状況と検討の視角
 第1節 問題の所在
 第2節 前提的考察
第2章 日本の問題状況
 序 説
 第1節 派遣法制定以前の状況
 第2節 労働者派遣制度の変遷
 第3節 労働者派遣の位置づけ
 第4節 派遣労働者の雇用保障をめぐる問題
 第5節 派遣労働条件の水準等に関する法規制
 第6節 集団的労働法上の問題
 第7節 小括――日本法の特徴
第3章 国際的動向
 第1節 統計資料
 第2節 アメリカ
 第3節 EU諸国
第4章 オランダにおける問題状況
 序 説
 第1節 規制の沿革
 第2節 現行法の規制内容――解雇・有期労働法制等
 第3節 現行法の規制内容――労働者派遣
 第4節 小括――オランダ法の特徴
第5章 ドイツにおける問題状況
 序 説
 第1節 解雇・有期労働法制
 第2節 労働者派遣制度の沿革と特徴
 第3節 現行法の規制内容
 第4節 小括――ドイツ法の特徴
第6章 労働市場における労働者派遣法の現代的役割
 第1節 分析結果
 第2節 日本法への示唆
 おわりに

日本の派遣法に対する考え方については、既にご承知の方も多いように、私の考え方とかなりよく似ています。昨年の派遣法改正について、細かな点についての問題はともかく、大きな方向性としては高く評価している点も共通していると思います。

しかし、ここでは一番最後のところで本庄さんが提示している興味深い構図を紹介しておきましょう。それは、いままでほとんど議論されたことのない、登録型派遣における「登録」のありように着目して、登録型派遣を二つの類型に分けて、異なる規制の下に置くべきではないかという議論です。

一つは真正な登録型(労働力プール型)で、予め労働者を登録という形でプールしておいて、派遣先からの注文に応じて派遣するタイプです。この場合「登録」は、次の派遣先を待っている状態です。

もう一つは派遣先限定の登録型で、登録段階で既に特定の派遣先が予定されており、その終了後は他の派遣先で就労することが予定されていないものです。

この二つの類型で、派遣元、派遣先の責任は異ならせるべきではないかというなかなか興味深い提起です。

是非、多くの研究者の間で取り上げられていくことが望まれます。

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コメント

実物の労働はますます分子化されある意味進化スピードはいまだ加速中にも関わらず、その規範の労働としての、労働とその者と雇用者との関係法整備はこれからということですね。
そりゃ学生はますます大企業を、そして忠誠を誓うダイナミズムなき資本主義経済を日本は続ける時間が相当にあると言うことですね。
どう「一億総活躍なんとか会議」はそのあたりも含めて国民と折り合いをつけるかの知的ゲームとなりそうですねえ。やっぱりせめてメンバーのガラガラポンとフルタイムが必要じゃないかなあと思います。

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