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2015年12月26日 (土)

育児休業の法的本質は付与義務にある・・・のだが・・・

昨日からネット界隈を国会議員の「育児休業」問題が騒がせているようですが、

http://togetter.com/li/916542 (国会議員が育児休暇検討、それに対する様々な意見、熊谷市長や蓮舫議員のツイートを中心に)

言うまでもなく、育児休業とは法的には労働者の使用者に対する請求権であり、使用者の労働者に対する付与義務として構成されるものである以上、いかなる意味でも雇用労働者ではない国会議員が自らの育児のために自主的に休みを取ることは法的意義における育児休業ではあり得ない。いわば社長が自ら育児のために休みを取っているのと似た状態であって、取引先との関係で生ずる問題をどう処理するかも少なくとも労働法上の問題ではない・・・というだけのことでは、もちろん済まないわけです。

なぜかというと、これはlawkusさんが見事に指摘されていますが、

https://twitter.com/lawkus/status/680196920778727424

国会議員を労働者と同視する馬鹿な擁護論が続出したことの裏を返すと、「国民の大半は議員と労働者の区別もつかないから、議員の(自称)育休を批判して潰せば、国民全体が(制度上の)育休を取りにくくなるという(本来生じるはずのない)効果が生じる」という主張に説得力あるという話にはなる。

まさに!

労働者と使用者の区別が付かず、労働者と国会議員との区別が付かないような低レベルな議論のアリーナで、(法的観点からだけからすれば実は間違っているわけではない)議員の「育児休業」(なるもの)取得批判論がまかり通ることの、(非法的)現実社会的帰結は、法がまさに保障しようとしている正当な労働者の権利であり使用者の義務であるところの育児休業取得それ自体に対する、たとえば

国会議員でさえ、育児のために休むなんて言い出せば批判を浴びるんだから、況んやそんじょそこらのたかが労働者ごときが生意気にも育児のために休みますなんて、おこがましいにもほどがある!!

というたぐいの、法的観点からすればナンセンスの極みの、しかしながら現実の日本社会では結構あり得そうだったりするある種の雰囲気をますます醸成する効果を持ちかねないわけです。

こういう頭が痛い現象のもとをたどると、結局、労働者の権利と使用者の義務という労働法の基本枠組みを根本的なところで理解しないまま偉そうに物事を語る人々が世にはびこりすぎたことに原因があるのかも知れません。

やっぱり労働法教育が必要だな。

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コメント

極北に https://archive.is/mepRF https://archive.is/6wbrT な 感情が渦巻いているのかな、とは。

この件について「アゴラ」でNPO法人の駒崎さんという方がなんともナイーブな投稿&ご丁寧な授乳写真付きをされておりますので、はまちゃん先生にズバッと整理整頓してほしいと存じます。
写真はバイアスを誘発させますよねえw。子どもと動物には逆らえないものというか、危ない兆候ですよ。

山のような議論を生んだこの件ですが、結局一番『そうだよな」とおもったのは、かつて民主党の政治家であったこの方のこのつぶやき。

https://twitter.com/matsuikoji/status/680646701225390086

国会議員の育休問題。かつての私の秘書で退職後結婚し最近出産した女性からの興味深い意見。 『育休、秘書さんに取らせてあげて欲しいな、と思います。 一ヶ月おままごと育児やるより、議員事務所みたいな小規模事業所で、産休育休を取ってもらう側の苦労を体験して欲しい!』なるほど、ごもっとも!

現役国会議員の誰一人として、雇用労働者でありながら自営業者である国会議員に引きずり回されている議員秘書の育児休業に気が回らなかったということに、中小零細企業における現実の姿が見事に投影されていると言うべきでしょうか。

史実どころか灯台下暗しであったという感性こそ議員資質を問わねばならないでうねえ。これはパラドクスとして我々有権者としての責務でもありますね。
はまちゃん先生、リアクションをありがとうございました。

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