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2015年12月21日 (月)

所浩代『精神疾患と障害差別禁止法』

14085所浩代さんより博士論文をもとに大きく加筆された『精神疾患と障害差別禁止法 雇用・労働分野における日米法比較研究』(旬報社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1051?osCsid=ggqjaad846vcjn5th1c2h6vsu6

1990年、米国大統領は障害差別禁止法の署名式に臨み、「本法への署名により、障害のある全ての人は、閉じられていた扉を再び開いて、平等・自立・自由が約束された明るい時代に向かって歩み始めることができる」と宣言した。アメリカの25年の歩みを検証し、日本の未来を考える。

下記目次に見られるように、アメリカの障害者法制を、とりわけ精神疾患について詳細かつ突っ込んで考究された著書です。ちょうど日本でも来年4月から障害者差別禁止規定が施行され、さらに2008年には精神障害者にも雇用義務が拡大されるという大きな変革期であるだけに、問題を原点に戻ってじっくりと考えてみるにはいい機会でしょう。

障害者差別の問題は、私は正直言って今まであまりきちんと詰めて考えられてこなかったのではないかと思っていることがありまして、それは、『働く女子の運命』などでも触れた雇用システムとの関係です。特定のジョブとの関係で初めて能力の低下や欠如が問題になり得る障害者について、ジョブ抜きの差別禁止や合理的配慮というのはあり得るのか、という問題です。

はしがき
序論
1 課題の設定
2 本書の構成

第Ⅰ部 アメリカの障害者法制
第1章 障害者法制の歴史的変遷
1 優生思想にもとづく障害者の排除
2 職業リハビリテーション事業の開始
3 障害者自身による権利主張
4 所得保障制度の整備
5 害者権利運動の萌芽
6 障害者運動を支えた2つの理論
7 連邦法初の障害差別禁止条項
8 障害者権利法の拡充
9 ADAの成立
第2章 現行の障害者法制
1 障害に基づく差別の禁止
2 傷病休暇の保障
3 労災補償
4 使用者への働きかけ
5 所得保障・就労支援
第3章 障害者の雇用状況
第4章 障害者法制におけるADAの意義
1 障害者法制の歴史的展開とADA
2 現行法制におけるADAの役割

第Ⅱ部 精神疾患とADA
第1章 ADA概説
1 ADAの目的
2 ADA全体の内容
3 ADA第1編(雇用分野)の内容
4 雇用機会均等委員会(EEOC)
第2章 ADAが精神疾患に適用される場合の解釈課題
第1節 障害の定義
1 A類型
2 B類型
3 C類型
第2節 適格者
 1 「適格者」の判断枠組み
 2 「直接的な脅威」の抗弁
第3節 合理的配慮
1 合理的配慮とは
 2 過重な負担とは
 3 合理的配慮義務の規範的根拠
 4 合理的配慮義務の存否
 5 配慮の提供に向けた話し合い(Interactive process)
第4節 障害に基づく差別
 1 ADA第1編における「差別」
 2 差別の立証
 3 判例の状況
第5節 医学的な検査と問合わせ
 1 規制の構造
 2 「医学的な検査」の定義
 3 障害のない者に対する検査
 4 医療情報の保管・使用ルール
 5 薬物の違法使用とアルコール依存
第3章 ADAの実効性確保に関わる問題
 1 雇用機会均等委員会(EEOC)
2 救済手続
 3 救済内容
 4 ADRを利用した自主的な解決
 5 検討

第Ⅲ部 日本への示唆
第1章 日本の状況
第1節 障害者の雇用義務
 1 沿革
 2 現行制度
第2節 障害を理由とする差別の禁止
 1 障害者基本法
 2  障害者差別解消法
 3 障害者雇用促進法
 4 判例の状況
第3節 傷病者への配慮
 1 安全配慮義務法理の発展
 2 安全配慮義務の具体的な内容―精神疾患の事案を中心に
第4節 障害者に対する措置義務
 1 障害者雇用促進法に基づく措置義務
 2 判例の状況
第5節 メンタルヘルスの調査
 1 労働安全衛生法における使用者の義務
 2 判例の状況
第6節 紛争の解決
 1 障害差別と合理的配慮に関わる苦情
 2 その他の相談・支援
 3 虐待への対応
第2章 日本法制の課題
 1 精神疾患にり患した者に対する雇用機会の保障
 2 精神疾患に対する配慮
 3 メンタルヘルス情報の把握
 4 精神疾患をめぐる紛争の解決
おわりに

補論 国連障害者権利条約
第1章 国際連合と障害者の権利
 1 世界人権宣言
 2 1950年代~1960年代
 3 1970年代
 4 1980年代
5 1990年代
 6 障害者権利条約
第2章 障害者権利条約の内容
 1 定義
2 労働および雇用
 3 国内における実施および監視
 4 締約国による報告

付録 EEOCが公表しているADAの指針


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コメント

進歩とは何事においてもそうですが、「障害」や「精神疾患」への起成原因=概念も様変わりしたわけですから、社会はそれになんとか追いつかなくてはなりませんね。今はそのラグが広い状態でそれが新しい差別や偏見として現象化されているのでしょうね。関わりある分野が含まれていることもあり、はまちゃん先生から興味深い紹介を受けました。

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