丸谷浩介『求職者支援と社会保障』
丸谷浩介さんより『求職者支援と社会保障 イギリスにおける労働権保障の法政策分析』(法律文化社)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03706-0
求職者に対する所得保障と求職活動支援が、いかなる法的構造を有しており、いかなる法規範によって支えられているかをイギリスの法制度の分析から解明する。考察からの示唆を踏まえ、日本における「求職者法」を構想し、提起する。
この分野、ごく最近になるまで、労働法からは社会保障法の一部みたいに見られ、社会保障法からも労働法の一部みたいに見られ、つまりどちらからも継子みたいな目で見られて、あんまり真面目に突っ込んだ研究がされてこなかった領域です。
その分野に、研究の初期から取り組んでこられた数少ない一人がこの丸谷さんで、本書はイギリスの労働市場と社会保障をつなぐ分野の姿を詳細に明らかにしています。
私もその紹介の一翼を担った近年の欧米のワークフェアとかアクティベーション政策の一つの典型がイギリスですが、本書は救貧法、ベヴァレッジ報告からサッチャー、ブレア政権、そして今日の保守党政権下の改革まで一望でき、頭が整理されます。
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