川口美貴『労働法』
川口美貴さんから、大著『労働法』(信山社)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.shinzansha.co.jp/book/b213909.html
労働法全般にわたる、約1000ページの詳細なテキスト。細目次、索引も充実し、使いやすく、また、民法改正案・新労働者派遣法の最新情報も入れ込まれた、待望の労働法体系書。
1000ページのテキストということからもその詳細さがわかりますが、特筆に値するのは冒頭近くのの「労働法の形成と発展」です。
第2章 労働法の形成と発展
第1節 明治維新(1868年)からILO創立(1919年)まで
第2節 ILO創設(1919年)から終戦(1945年)まで
第3節 終戦(1945年)から現在まで
この第1節の最初に出てくるのは何だと思いますか。なんと明治5年の「地所永代売買ヲ許ス」と「地代店賃及奉公人雇夫等給料相対ヲ以テ取極メシム」です。労働法の前提となる近代的法基盤の整備ということで、所有権制度と契約自由の原則と合意原則の出発点というわけです。
労働法の教科書でここから話を始めているのは見たことがありません。
個別項目でも、川口さんが力を込めて通説判例に反論しているところは、かなりの紙数が割かれています。
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