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リクルート『Works』132号は日本型雇用特集

1281693164_lリクルートの『Works』132号が届きました。特集は「シリーズ雇用再興」の第1弾目「日本型雇用によって失われたもの」です。

http://www.works-i.com/pdf/w132_1toku.pdf

冒頭からhamachanが登場します。

 まずは、日本型雇用システム(以下、日本型雇用)を改めて定義しよう。新規学卒者の一括採用と定年制という絶対的な入口と出口を設定し、その間を、入社年次に基づく年功的な賃金体系で遇する仕組み。そして、より本質的には、入社後の職務(ジョブ)を特定しないメンバーシップ型の雇用契約によって、働く人を職務ではなく企業に紐づける仕組みだ。

雇用システムというフィクション

Hama  日本型にしろ、それ以外のものにしろ、雇用システムは、資本主義社会を維持するために、、資産を持たない労働者(プロレタリア)にその代わりとなる仮想上の資産を構築し、資産所有者としてインサイダー化するためのある種のフィクションとして形成される。こう看破するのは労働政策研究者、濱口桂一郎氏だ。

「資本主義のもとで経済を安定的に発展させるためには、大量の勤勉な労働者が必要でした。そのためには、労働者に、それを正当化するストーリーを見せる必要がある。ヨーロッパではそれは、仕事(ジョブ)の技能(スキル)を社会のどこでも通用する資産とみなし、資格を有する技能労働者をあたかも小資産家(プチブルジョワジー)とみなす社会的枠組みでした。手に職を持ち、資格を取得すれば、どこへ行っても仕事があり、それなりの高い給料をもらえ、次第に豊かになれる。こうしたストーリーが、労働者から勤勉を引き出したのです」(濱口氏)

では日本では、どのようなフィクションが構築されたのか。「日本で労働者に仮想上の資産として差し出されたのは、ジョブではなくメンバーシップだったのです。ある会社のメンバーシップを獲得し、メンバーとして会社の命令に従って配置転換や転勤や出向を引き受け一生懸命やっていれば、仕事を失うことはなく、給与が保障されて、安定した老いを迎えられる。これが、日本型雇用のストーリーでした」(濱口氏)。

「もちろんどちらの仕組みであっても、ストーリーに乗れなかった人をどうするかを考えておかなくてはなりません。ヨーロッパ型のほうは、国が社会保障で面倒を見ることが基本になりました。一方の日本では、なるべく多くの労働者の面倒を企業にみてもらい、その分、配置転換や転勤、出向という内部労働市場における移動の裁量権を大幅に企業に認めました」(濱口氏)

つまり、ストーリーに乗れない人をなるべく少なくする努力がなされてきたのだ。「特に高度成長期から安定成長期にかけては、このストーリーに乗れる人の割合が高く、日本型雇用というフィクションは多くの人を幸せにできる秀逸な現実になりました」(濱口氏)

しかし・・・・・・・・

という風に話は進み、この後、八代尚宏さん、矢野眞和さん、山田昌弘さんなどがさまざまな角度から論じていき、最後に編集長の石原直子さんが「日本型雇用を再考し、再興させるために」というタイトルで締めています。なるほど、「再考」と「再興」を掛けていたんですね。

 

 

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コメント

さすがリクルートワークスさん、半年以上前からこんな素敵な企画、こんなに実のある議論がされていたのですね…。Hamachanほかの研究者や日本企業人事の皆さんのコメントを読み「日本型雇用」を超えていこうとする、新たな「ストーリー」への希望/期待/可能性を感じました。言わずもがな 古来より日本人は「手に職をつける」こと、分野を問わず職人気質で仕事を通じて技術を高めていくことに多大なる興味と関心と資質のある人たちのはずです。今後、私たちが新たに共感共有しうるジョブ型社会への「ストーリー」が作られ、それも欧州型とは異なる語り方で日本人の忘れられた琴線に触れることができれば、この壮大なるジョブ型雇用への大改革も成功裡に導くこともできるのではないか?という明るい予感を持ちました。

投稿: 海上周也 | 2016年6月14日 (火) 18時51分

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