佐藤・藤村・八代『新しい人事労務管理』第5版
佐藤博樹・藤村博之・八代充史『新しい人事労務管理』(第5版)(有斐閣アルマ)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641220621
第4版と一番違うのは、最後に「終章 幸せな職業人生を送るために」というのが付け加えられたことでしょう。これが5節からなり、
1 「就社社会」の採用管理と大学生のキャリア意識
2 キャリア開発とは売れる能力を維持すること
3 女性活躍推進に求められること
4 ブラック企業やブラックバイトにいかに対処すべきか
5 大学で人事労務管理を学ぶことの意味
と、今日的なトピックを敏感に取り上げていますね。
あと細かく見ていくと、第2章の雇用管理の最後の節が、第4版では「エイジフリー」と専ら高齢者問題だけに関心が向いていたのが、第5版では「高齢者雇用と若年雇用」と、若者にも意識が向き、その冒頭のところで、高齢法改正の議論で経営側から高齢者雇用を進めると若者を雇えなくなる云々と言われたが・・・というような枕が置かれていて、この間の4年間のいろいろな動きが思い起こされました。
コラムも総取っ替えされていて、「自分の権利をどう守るか」というコラムには、こんな記述もあります。
・・・リストラなんて対岸の火事だと安穏と構えていたら,突然「クビ」を言い渡され、労務管理の手練手管で会社に言いくるめられてしまう。こうした話は、あながちうがち過ぎではない。要は「終身雇用」という「太平の世」に慣れた人ほど、「たった4杯の上喜撰(蒸気船)」で夜も眠れなくなってしまう。雇用に対する安定が不確実性を増している今日、働く者一人一人が、自分の権利は何かを知ることが不可欠であろう。
では、こうした権利はどこで教えれば良いのだろうか。すぐ思いつくのは「学校教育」であるが、働いてみて初めて実感するというのが本当のところだろう。・・・・・
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