その「社会民主主義」ってどこの社会民主主義?
よくわからないツイートがあったので、
https://twitter.com/oxomckoe/status/634293141403648000
社会民主主義を支持するということは、不便に耐えるということであり、田舎の生活に馴染むということで、率直に言って東京に暮らしているという段階でその人はネオリベだと思う。
これ、ほんとに意味がよくわからない。イギリスの労働党でもないし、フランスの社会党でもないし、ドイツの社会民主党でもないし、とにかく私の知ってる社会民主主義のどこをどうひっくりかえしても、「不便に耐えるということ」とか「田舎の生活に馴染むということ」とかいうのと結びつかない。イメージ的にはむしろ逆。
一般的に、田舎に引っ込んでいる人よりも都会で生活している人の方が保守政党よりも社会民主政党に投票するという傾向があるのは昔から政治学でいわれていますしね。イギリスの投票地図を見ても、ロンドンや中部の産業都市とスコットランドが労働党の地盤で、イングランドの田舎が保守党の地盤。
日本のかつての社会党というのも、西欧のまともな社会民主主義からしたら相当に異常な代物だったのは間違いないけれど、それにしても田舎に引っ込んで不便に耐えるというのとはあんまり結びつかない。都市と田舎の投票傾向は西欧と同様だったし。
今ではかつての社会党の名残の社会民主党というのは都市でも田舎でもほとんど存在感のないミニ政党になっていて、田舎に支持層が一杯いるわけでもない。
皮肉でも反論でもなく、単純に、どこのどういうイメージでこういうツイートになるのかがわからないので。
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このツィートの真意はわからないのですが、市場経済の恩恵を受けられる都会に住むか、不十分な公共セクターに大きく依存せざるを得ない地方に住むかという問題が背景にあるのかなとわたしは読みました。市場経済の無限の可能性を信頼するネオリベが都会に多く、市場経済を憎悪し、福祉国家になけなしの期待を寄せている社会民主主義者が地方に多い……という事実があるかどうかはわかりませんが、全然わからない考え方かといえば、まあそうでもないかなと。
投稿: odg1967 | 2015年8月24日 (月) 04時40分
>不十分な公共セクターに大きく依存せざるを得ない地方に住むかという問題が背景にあるのかなとわたしは読みました。
地方に公共セクターってどれほど機能しているんでしょうか。むしろ都会以上に家族など私的領域で扶助が行われているのが実態ではないかと。
投稿: Executor | 2015年9月 5日 (土) 14時21分