パプーシャの黒い瞳
ポーランド映画。
http://www.moviola.jp/papusza/
書き文字を持たないジプシーの一族に生まれながら、幼い頃から、言葉に惹かれ、文字に惹かれ、こころの翼を広げ、詩を詠んだ少女がいた。ブロニスワヴァ・ヴァイス(1910-1987)、愛称は“パプーシャ”。ジプシーの言葉で“人形”という意味だ。彼女は成長し、やがてジプシー女性として初めての「詩人」となる。しかし、その天賦の才能は彼らの社会において様々な波紋を呼び、その人生を大きく変えることになった……。
生まれたときは第一次大戦前なのでロシア領だったはず。少女時代も独立共和国とはほとんど縁のない放浪の生活。ナチスの占領をくぐり抜けて、社会主義体制下で定住化政策が進められ、それと独自の文化を守ろうとするジプシーたちの対立という大きな時代の流れが背景にあって、その狭間を生きざるを得なかった彼女の悲劇が際立って浮かび上がるのでしょう。良かった。
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