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2015年8月13日 (木)

45歳まで産める! これだけの理由@『プレジデントウーマン』

011523『プレジデントウーマン』第5号を、送りいただきました。

http://woman.president.jp/list/magazine

今までおつきあいのない雑誌なので、どうしたことだろうと思ったら、海老原嗣生さんの関係だったようです。

海老原さんの企画らしい、

Features3 45歳まで産める! これだけの理由

人生設計がガラリと変わる!? 医者も知らない衝撃の事実

という記事が、12ページにわたって、高齢出産を気にするな、まだまだ産めるぞ、と発破をかけています。

これ、海老原さんのここ数年のペットテーマなんですが、正直、なるほど、と思えないのですね。

414bbr4jbl__sx230_海老原さんがこれを主張する理由は、3年前の『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)の最後に出てきた「35歳が女性を苦しめて過ぎている」で、日本的な「遅い昇進」と出産育児の両立を図るためには、出産適齢期をもっと後ろ倒しすべきだといわれていることからくるわけですが、本当にそうなのかなぁ、という疑問がぬぐいきれないのです。

日本的な教育システムとその中で育った若者の実態からすれば、入口は日本型のメンバーシップ型モデルを維持するしかない一方で、中高年や高齢者をどうするかを考えればどこかでジョブ型に着地させるしかない。ではどこでスイッチするかというと、海老原さんは35歳くらいというイメージで、これは男性の若者と男性の中高年を想定すれば、つまり変数が二個の二元連立方程式を解くのであれば、まことに現実的な解と言えるでしょう。

ところが、35歳くらいでメンバーシップ型からジョブ型に着地するのでは、その35歳が妊娠出産の上限年齢とされたきた女性にとっては、子どもが産めなくなってしまいます。そう、海老原さんが高齢出産問題に一生懸命取り組むのは、ここに理由があります。35歳までに子供を生まなければならない女性という第3の変数を入れて三元連立方程式にすると、海老原理論では女性の解は存在しないことになってしまうからです。

そこで、いや三元連立方程式にもちゃんと解があるんだ、というためには、女性は35歳を過ぎても40歳を過ぎてもちゃんと子どもが産めるんだ、と前提条件を変更する必要があります。そのための理論武装が、今回の『プレジデントウーマン』の特集記事なんですね。

ただ、さりながら、これを読んでもなかなか説得されないのですね。そもそも論として、労働社会のあり方のツケを、マタニティという生物学的な要素に回すような解が本当に正しい解なのだろうか、という疑問がぬぐえないからです。

これは本質的に困難な問いだと思います。

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コメント

>そもそも論として、労働社会のあり方のツケを、マタニティという生物学的な要素に回すような解が本当に正しい解なのだろうか

同感です。この指摘につきると思います。

http://www.nytimes.com/2015/08/16/technology/inside-amazon-wrestling-big-ideas-in-a-bruising-workplace.html

USAアマゾンさんの逆終身雇用ともいうべき素敵な雇用環境をNYTIMESが紹介していますが、その内実を熟読すると、日本は世界の最先端を行っているということでしょうか?

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