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« UAゼンセン2組合の勤務間インターバル | トップページ | 労働法の教科書に書いてないことが一番大事 »

2015年7月13日 (月)

コマ給、コマ雇用

51swul89ujl__sx350_bo1204203200__2さて、先週末に頂いた『POSSE』27号ですが、特集の「塾とブラックバイト」でかなり大きく取り上げられているのが「コマ給」の問題です。

しかし、これは学生アルバイトの話だけではないはずです。塾、予備校業界は基本的にコマ給制だし、そもそも大学の非常勤講師だってコマ給なんじゃないですか?

さらにいうと、これは労働局に寄せられてた個別労働紛争に幾つか塾、予備校関係のものがあるんですが、そもそも雇用関係自体がコマ単位で結ばれていて、それが翌年度入れる入れないでも揉めてるケースが幾つかあるのですが、そういう風にいわばコマ雇用とでもいうべき状態がかなり普通なのではないかと思われるのです。

いずれにしても、こういったコマ給、コマ雇用の問題はそれ自体突っ込んで論ずべき内容を含んでいるとはいえ、ブラックバイトのブラックたる所以の話とはどうも道筋が少しずれた話になりかねない感があり、いささか据わりの悪い感じがしています。

(追記)

この話題に、社会保険労務士で「労働者を守る会」代表の須田美貴さんがこんなコメント:

https://twitter.com/sudatora/status/620499880738361345

塾や予備校講師の経験者から言わせてもらうと、コマ給で契約して休み時間に時給が発生しないことをブラックだというのはおかしいね。最初にその説明がないなら会社が悪いけど、説明してるはず。講師やっている人なんてそれで今年はいくつコマがもらえるかでやる気に繋がるんだし、

https://twitter.com/sudatora/status/620499909699960832

タレントみたいなもので、人気があれば稼げてそれがコマ数に反映される。元々時給が高いのは休み時間の対応分も含まれていると思っているし、準備に時給が発生しないなんで、どんな仕事でも言えると思う。労働者を守る会だからといって、どんなケースでも労働者が正しいという団体ではない。

https://twitter.com/sudatora/status/620499936610680832

そこでどうやって働き続けるか、または転職して気持ちよく働くか、それにはその仕事に合う合わないというのが一番問題なので、そのも含めてアドバイスできればと思っている。会社を叩けばいいってもんじゃないです。

ちなみに、この須田美貴さん、そんじょそこらのただの社労士だと思ったら大けがをします。

http://wpb.shueisha.co.jp/2013/08/23/21315/(度重なる解雇から人生を大逆転させた“鉄人女”須田美貴「クビなんて大したことない。人生の肥やしだ、くよくよするな」)

「職場でヒドイ目に遭っている人を救いたい」―。そんな思いで現在、社労士として活躍中の須田美貴さん。セクハラ、パワハラ、不当解雇……。数々の地獄から這い上がってきた彼女に体験談を語ってもらった。

この須田さん、本当にブラックな予備校と闘った経験があるだけに、言うことに無言の迫力があります。

http://sr-partners.net/archives/51887807.html(営業活動は無報酬でやれ,と講師に指示していた資格予備校)

資格予備校LECの元講師須田美貴さんが,労働組合派遣ユニオンを通じて東京都労働委員会へLECの不当労働行為の救済命令申立書を提出したそうです。

(再追記)

おそらく結構な数の弁護士の方々が、ロースクールの非常勤講師をされているはずですが、その報酬制度はおそらくやはりコマ給のはず。それに文句をつけたという話を聞かないので、こういうコマ雇用においては授業の準備作業も含めてコマ給を払っているという認識が一般的なのではないかと思われます。もしそうではないというのであれば、今から各大学に抗議に行く必要があるような。

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コメント

>こういうコマ雇用においては授業の準備作業も含めてコマ給を払っているという認識が一般的なのではないかと思われます。

なんだか結局、“論文を書かない(書けない?)、棒読み授業(と保身)がお得意の、定年まで雇用が保障された大学教授様”のようなのとの対比ないし不当な格差のほうが、よほど問題のような気も…。

的外れのコメントだったらすみませんが、このお題は、我々のような劇場の技術者みたいな専属っぽい労働者と似ていて、雇用主が常にコントロール可能な私的労働市場で待機させられているのと同じ問題だな~、という印象を持ちます。
一つの事業場へのしがみつき度が高い人ほど問題が顕在化しやすく、一方、複数の事業場との競合関係(つまり人気の高い労働者を事業主が奪い合っている状態)を持っている人は、ギャラや待遇がどんどん良くなるわけですね。
閉じた内部労働市場で労働者同士が昇進を争うのならいいのですが、そうではなく、職そのものを奪い合う構造です。
登録型労働契約(これが果たして労働契約と言えるのかどうかも…)で、コールがかかるのを待ち、労働者同士が職をかけて競争するのを、どこまで肯定するのかという問題だと思います。

契約書に「休日4週4日以上」と書いてあれば、つまりどんなに休日が多くても違反にはならないわけですし。
なので、お題でいうところの「コマ」に、授業の準備時間や学生が質問に来ることに対する賃金への反映度みたいなものが直接の問題なのではなく、労働日の保証給や労働日自体がアヤフヤなのが一番問題で、当然、労働日における手待時間だけでなく、実質待機日(授業のコマがないから来なくていいよ的な…)の休業手当も絡むことになる問題だろうな、と思いました。

短時間労働者の均衡待遇問題で整理できるような気もしますが、そんなに単純ではないのでしょうか…。

その問題視角は、むしろ最近EUとりわけイギリスで大きな問題となってきているゼロ時間契約に近いように思われます。

http://www.rosei.jp/readers-taiken/hr/article.php?entry_no=375">http://www.rosei.jp/readers-taiken/hr/article.php?entry_no=375

 最近、EUでは新たなタイプの“カジュアル労働”が注目されています。EUの労働問題のシンクタンクである欧州生活労働条件改善財団(ダブリン財団)が2015年3月12日に公表した『新たな就業形態(New forms of employment)』という報告書は、近年欧州諸国で拡大しつつある9種類ものより新たな就業形態を一つ一つ細かく分析し、今後の行方を検討していて、日本にとっても大変参考になります。ここではスペースの関係でごく簡単にしか紹介できませんが、詳しく知りたい方は、是非、以下リンク先で全文アップされている報告書をご覧ください。   ※欧州生活労働条件改善財団(EUROFOUND)「New forms of employment」⇒リンクはこちら

http://www.eurofound.europa.eu/publications/report/2015/working-conditions-labour-market/new-forms-of-employment">http://www.eurofound.europa.eu/publications/report/2015/working-conditions-labour-market/new-forms-of-employment

   典型的なのが「ゼロ時間契約」ともいわれる「呼び出し労働(オンコール・ワーク)」で、近年EU諸国で増加しつつあります。これは、使用者と労働者の間の継続的雇用関係は維持するけれども、使用者は労働者に継続的に仕事を提供する必要はなく、必要なときだけ呼び出せばよいという契約です。    呼び出し労働の最も不安定な形が「ゼロ時間契約」で、そこには最低労働時間数もありません。つまり、使用者は労働者を呼び出す義務もないのです。ゼロ時間契約はとりわけイギリスで普及しており、近年大きく拡大しているということです。  2013年の英『ガーディアン』紙が報じたところでは、外食産業のマクドナルドでは労働力の90%がゼロ時間契約になっているそうですし、ドミノピザの同じ割合のスタッフも、またバーガーキングの2万人のスタッフもやはりゼロ時間契約だそうです。他の大企業も、こうした膨大なゼロ時間契約の労働者を利用していることが明らかになりつつあります。 ※the guardian「McDonald's ties nine out of 10 workers to zero-hours contracts」⇒リンクはこちら

http://www.theguardian.com/business/2013/aug/05/mcdonalds-workers-zero-hour-contracts">http://www.theguardian.com/business/2013/aug/05/mcdonalds-workers-zero-hour-contracts

 呼び出し労働は労働者にとって不公平に見えるため議論を呼ぶものです。多くの場合、労働者に支払われるのは彼らが実際に働いた時間だけです。つまり、最低所得保障はないのです。
 しかも多くの場合、こうした呼び出し労働契約には、他の使用者のために働くことを禁止する排他条項が含まれています。いつでも呼び出せるようにしておきたいということなのでしょうが、これにより労働者は収入もないまま待機し続ける時間を維持しなければなりません。おまけに、こうした労働者への社会保障制度は貧弱です。
 
 こうしたカジュアル労働は、必要な都度労働需要に応じてフレキシブルに使えるので、使用者にとっては大変メリットがあります。労働組合サイドは「過度なフレキシブル化」に対して懸念を表明してきています。カジュアル労働はほとんど雇用の安定をもたらさず、不確定でイレギュラーな労働時間を生み、低くしかも予測困難な賃金、限られた手当で、職務満足も少なく、多くの場合単調でつまらない仕事なのです。経営側は、企業が変動する市場状況に対応するために、とりわけ厳しい経済状況の下では、フレキシブルな契約が必要だと主張しています。
 
 こうしたカジュアル労働は、上記報告書で紹介されている新たな就業形態の一つに過ぎません。そのほかにも、複数の企業が同じ従業員をシェアする「従業員シェアリング」、ICTベースの「モバイル労働」、ケア労働者の雇用関係がバウチャー(引換券、クーポン)による支払いに基づく「バウチャーベース労働」、自営業ないしフリーランスで、多数の顧客のために一つ一つは小規模の労働を提供する「ポートフォリオ労働」、オンラインのプラットフォーム上で使用者と労働者をマッチさせる「クラウド労働」など、さまざまな形態の労働が紹介されています。日本でも将来の労働法政策を考えていく上で、こういった就業形態への目配りはますます重要となってくることは間違いないでしょう。


リコメントありがとうございます。
カジュアル労働というやつなんですね。
そういえば、以前どこかのテレビ番組で特集をやっていたような気がします。うろ覚えですが。

EUあたりで流行っているそうですが、それにしても、ご紹介の事例・・・
>しかも多くの場合、こうした呼び出し労働契約には、他の使用者のために働くことを禁止する排他条項が含まれています。<・・・とな!!
これは本当にひどい。究極の予測困難性があるわけですね。

ただ、労働者側にカジュアル労働へのシフト意志や傾向があって、その後、それを事業主側が逆手にとって、結局、事業主側の一人勝ちに持っていかれているような経過をたどったような趣があったのでしょうけれど(間違っていたらごめんなさい)。

何とか、現状は我が国でもこれに近い状況はあるわけですから、例えば、『募集時の労働条件の明示に欠ける』ということで、入口規制(職安行政の範疇)でもって、これはダメヨ!、ということにできないでしょうか。或いは労基でもって『合理的な事前の暦労働日指定』条文を付け加えるとか。

因みに以下は幼出な私見ですが・・
我が国の場合だと、現行制度でも「賃金の受け取り額の決定性に欠ける」ため、募集時の明示条件(職安法)に照らしても、労働条件の通知義務(労基)に照らしても、条理上不適切で権利乱用があるような気がいたします。
要するに、ゼロ時間・ゼロ労働日契約だと、事業主による不意打が予定されているわけですから。
・・違うでしょうか。

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