最低賃金と生活保護
本日の中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の資料がアップされていますが、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000091489.html
その中でも注目されるのは「生活保護と最低賃金」の資料です。
ご承知の通り、2007年、第1次安倍内閣の時に最低賃金法が改正され、地域最賃の原則として、
3 前項の労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。
という規定が入りました。
それ以来、政権は変われども最賃を少なくとも生活保護を下回らない所まで上げていくというのが、(もちろん唯一ではないとしても)かなり大きな動力源として働いてきたことは間違いありません。
生活保護データは平成25年度ですが、最低賃金は平成25年度、平成26年度と両方のグラフが用意されています。両方平成25年度で見ると、なお北海道は逆転してますが、最低賃金を平成26年度にしたグラフでは、北海道も逆転が解消しています。
このデータを踏まえて、今後労使がどういう議論をしていくかですが、やはり労働側としては、アベノミクスや賃金引き上げの勢いを削減することのないように、というような議論になるのでしょうし、経営側としてはギリシャの影響がどうなるか分からないし・・・というような議論になるのでしょうか。
政府のマクロ政策ドクトリンとしては、経済財政基本方針において、
また、中小企業・小規模事業者への支援を図りつ最低賃金引上げに努める。
と、また日本再興戦略2015において、
すべての所得層で賃金上昇と企業収益向上の好循環が持続・拡大されるよう、中小企業・小規模事業者の生産性向上等のため支援を図りつつ、最低賃金の引き上げに努める。
と書かれていますので、マクロ経済政策としてはなお追い風ではあるわけですが。
いずれにしても、生活保護との逆転解消という追い風がやんでしまってから初めての最賃の土俵ですので、どういう風に動いていくか引き続き注目です。
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