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2015年7月18日 (土)

クルーグマン on 最低賃金

Krugmancircularthumblargev4 別段目新しい話でもありませんが、ネット上で威勢の良い特殊日本的な「りふれは」(「リフレ派」ではなく)には最低賃金を目の敵にして、雇用を失わせるに決まっているという方々が多数いることもあり、そういう彼らがなぜか(自分らの政治的立場とは異なるにもかかわらず)引用したがるポール・クルーグマンの昨日のコラム「Liberals and Wages」から、最低賃金に言及した部分を引いておきます。全然目新しい話ではありません。

http://www.nytimes.com/2015/07/17/opinion/paul-krugman-liberals-and-wages.html?rref=collection%2Fcolumn%2Fpaul-krugman&action=click&contentCollection=opinion®ion=stream&module=stream_unit&contentPlacement=1&pgtype=collection&_r=1

Meanwhile, our understanding of wage determination has been transformed by an intellectual revolution — that’s not too strong a word — brought on by a series of remarkable studies of what happens when governments change the minimum wage.

More than two decades ago the economists David Card and Alan Krueger realized that when an individual state raises its minimum wage rate, it in effect performs an experiment on the labor market. Better still, it’s an experiment that offers a natural control group: neighboring states that don’t raise their minimum wages. Mr. Card and Mr. Krueger applied their insight by looking at what happened to the fast-food sector — which is where the effects of the minimum wage should be most pronounced — after New Jersey hiked its minimum wage but Pennsylvania did not.

Until the Card-Krueger study, most economists, myself included, assumed that raising the minimum wage would have a clear negative effect on employment. But they found, if anything, a positive effect. Their result has since been confirmed using data from many episodes. There’s just no evidence that raising the minimum wage costs jobs, at least when the starting point is as low as it is in modern America.

さて、賃金決定に関する我々の理解は、政府が最低賃金を変えたら何が起こるかについての素晴らしい一連の研究によってもたらされた知的革命によってーこれは言いすぎじゃないよ-大転換しているんだ。

20年以上も前に、経済学者デービット・カードとアラン・クルーガーは、ある州が最低賃金を引き上げたら労働市場にどういう影響を与えるかを実験的に明らかにした。実験というのは、隣接する州が最低賃金を引き上げないという自然のコントロールグループが提供されていたからだ。カードとクルーガーは、ニュージャージー州が最低賃金を引き上げたけれどもペンシルベニア州は引き上げなかった時に、ファーストフード業界-最低賃金の影響を一番受けると言われている業界だ-で何が起こったかを観察することで彼らの洞察を適用した。

カードとクルーガーの研究まで、多くの経済学者たちは-僕自身も含めて-最低賃金を引き上げたりしたら雇用に明らかなマイナスの影響を与えると思い込んでいた。ところが彼らは、それどころかプラスの影響があることを発見したんだ。この結果は多くのエピソードからのデータによって確認されてきている。最低賃金を引き上げたら雇用が失われるなんて言う証拠は全くないんだ。少なくとも、(最低賃金の引き上げの)出発点が現代アメリカのように低い国ではね。

(追記)

https://mobile.twitter.com/yeuxqui/status/625455548427689984?p=p

というか「経済学者」、最賃引き上げや、賃上げの批判しなくなったなw。都構想とかは突然擁護してみたりはするが。

というか、「りふれは」ケーザイ学者ね。

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コメント

本日(正確には昨日)、このクルーグマンのコラムのちゃんとした全訳が、現代ビジネスに載ったようです。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44461

ちゃんとした訳、というのは、文字通りの意味ですよ。

一方、賃金の決定要因に関する理解は、知的革命により一変した。「知的革命」というのは決して大げさな言葉ではない。それは、政府が最低賃金を変えた時に起きた現象を対象とした一連の優れた研究によってもたらされた。

およそ20年以上前に、経済学者のデービッド・カードとアラン・クルーガーは、個々の州が最低賃金を引き上げた際、それが実質的に労働市場の実験となると気が付いた。さらによいことに実験によって自然とその対照群がわかる。つまり、最低賃金の引き上げをしない近隣の州が対象群となるわけだ。

カードとクルーガーは、ニュージャージー州が最低賃金を引き上げ、その近隣のペンシルバニア州で引き上げなかった後で、ファストフード業界で見られた状況を調査するという形で、この知見を実践した。ちなみに、ファストフード業界は最低賃金の影響が最も顕著に出る業界である。

カードとクルーガーの研究が行われる以前は、私も含めほとんどの経済学者が、最低賃金を引き上げれば、明らかに雇用にマイナスの効果がもたらされると考えていた。

しかし研究の結果、効果があるとすれば、それはプラスの効果であることが判明した。この研究結果は、以降、多くの事例から得たデータを使って確認されてきた。最低賃金の引き上げで職が失われるという証拠は、一切見られなかったのだ。少なくとも元の金額が今現在のアメリカくらいに低いレベルの賃金である場合にはそう言える。


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