DSCHさんの拙著評
読書メーターで、DSCHさんが拙著『若者と労働』に短評を加えています。
http://bookmeter.com/cmt/48795265
週刊東洋経済でもメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用が取り上げられていたが、濱口氏の説明は歴史的な視点と国際比較の視点のバランスが良く、高度な内容を平易かつ説得的に説明されていると思う。本書は主に若者の雇用について詳細に述べられている。ただし、労働雇用問題のみならず、人文社会系学部を縮小し職業に繋がる学部に転換を促す昨今の大学改革を考えるうえでも欠かせない射程をもつ内容であり、教育関係者にもぜひ読んでいただきたい一冊である。
ありがたい言葉です。こういう皆様のおかげで、一昨年刊行された本書が今回4刷目まできました。膨大な数の新書が生み出される中で読み捨てられるものも多い中、こうやって着実にロングセラーとして読まれ続けていることを思うと、読者の皆様に感謝の言葉もありません。
なお、DSCHさんは他の拙著についても読書メーター上で短評をされています。
http://bookmeter.com/cmt/39164516
日本の雇用システムと労働政策について国際比較と歴史的考察によりさまざまな問題点が整理されている本書は、非正規雇用やワークライフバランス等について考える際のよりどころとして最適だと思う。企業別労働組合が従業員代表として全社員の利益を集約できていない点については、最近、大企業で非正規労働者を組合員とする動きが拡大しつつある中で、鋭い指摘であると感じた。また、労働政策審議会の三者協議による政策形成過程と経済財政諮問会議による政治との関係等、考えさせられる内容も豊富である。
http://bookmeter.com/cmt/39018288
日本の雇用について法制面と実際の運用の両面からアプローチされている本。労基法等の法制度の面ではジョブ型雇用を基本に制度設計されているが、企業の実際ではメンバーシップ型雇用となっていることを、判例も交えて解説されている。また、戦中の国家統制の影響や戦前、戦後の歴史的な側面も知ることができてよかった。労働法や労働問題を扱う専門家にとっては自明と思われる歴史的な経緯についても知らないことが多かったので、非常に勉強になった。
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