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2015年7月 1日 (水)

『日本再興戦略』改訂2015-未来への投資・生産性革命-

昨日、「日本再興戦略改訂2015」が閣議決定されました。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/

雇用労働関係は、女性活躍関係も含めると57ページから81ページまでに書かれています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/dai2_3jp.pdf

新たに講ずべき具体的措置の中で、注目されるのはやはり「予見可能性の高い紛争解決システムの構築等」ですが、さらっと読むと気がつきにくいのですが、3月の規制改革会議の提言と読み比べると、ある部分が消えていることがわかります。

労働紛争の終局的解決手段である訴訟が他の紛争解決手続と比較 して時間的・金銭的負担が大きいこと等から訴訟以外の解決手続を 選択する者もあり、その場合には、訴訟と比較して低廉な額で紛争が 解決されていることや、労使双方の事情から解雇無効判決後の職場 復帰比率が低いこと等の実態があることから、「あっせん」「労働審判」「和解」事例の分析・整理の結果や諸外国の関係制度・運用に関 する調査研究結果も踏まえつつ、透明かつ公正・客観的でグローバル にも通用する紛争解決システムを構築する必要がある。このため、解 雇無効時における金銭救済制度の在り方(雇用終了の原因、補償金の 性質・水準等)とその必要性を含め、予見可能性の高い紛争解決シス テム等の在り方についての具体化に向けた議論の場を直ちに立ち上 げ、検討を進め、結論を得た上で、労働政策審議会の審議を経て、所 要の制度的措置を講ずる。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/opinion3/150325/item2.pdf (「労使双方が納得する雇用終了の在り方」に関する意見  by 規制改革会議)

訴訟の長期化や有利な和解金の取得を目的とする紛争を回避し、当事者の予測可能 性を高め、紛争の早期解決を図ることが必要である。このため、解雇無効時におい て、現在の雇用関係継続以外の権利行使方法として、金銭解決の選択肢を労働者に 明示的に付与し(解決金制度の導入)、選択肢の多様化を図ることを検討すべきであ る。またこの制度は、労働者側からの申し立てのみを認めることを前提とすべきで ある

規制改革会議の意見は、労働側の反発が極めて強い使用者からの申し立てによる金銭解決を否定していましたが、再興戦略ではそういう制限は意識してかどうかはわかりませんがつけられていません。

連合が今日発表した事務局長談話では、こう批判しています。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2015/20150701_1435712922.html

「雇用制度改革・人材力の強化」は、いわゆる解雇の金銭解決制度を導入する方針が明記されている。不当解雇を行って敗訴した使用者をも「救済」する制度が導入された場合、不当解雇が実質的に合法化されることとなる懸念が強いこと等から撤回すべきである。

さて、これが注目されるのは当然ですが、その前の「未来を支える人材力の強化 (働き手自らの主体的なキャリアアップの取組支援) 」には、セルフ・キャリアドック(仮称)をはじめとして、教育訓練関係の様々な施策がずらりと並んでいます。話題の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化」や「大学等における「職業実践力育成プログラム」認定制度の創設」といった職業的レリバンス志向が並んでいますが、それを見ていくと、やはり出てきたな、というのがこれです。

⑬職業実践能力の獲得に資する教育プログラムへの教育訓練給付 による支援の拡充

「日本再興戦略」を踏まえ、社会人の中長期的なキャリア形成 を支援するため、雇用保険法を改正し、①業務独占資格・名称独 占資格の取得を訓練目標とする養成施設の課程(訓練期間は1 年以上3年以内)、②専門学校の職業実践専門課程(訓練期間は 2年)、③専門職大学院の課程(訓練期間は2年以内または3年 以内)のうち、厚生労働大臣が指定した講座を受講した場合に、 教育訓練給付金の給付割合の引上げや追加支給を可能とする 「専門実践教育訓練給付」を創設し、昨年 10 月から実施してい る。 今後、「職業実践力育成プログラム」認定制度や「実践的な職 業教育を行う新たな高等教育機関」で行われる教育プログラム 等の実態も踏まえつつ、「専門実践教育訓練給付」の対象講座の 在り方等について、仕事と両立しやすい多様で弾力的なプログ ラムも含め、社会人の職業実践能力の形成に真に効果的なもの であるか等の観点から検討を行い、速やかに結論を得る。

私がWEB労政時報で予想したとおりの展開になっているようです。

https://www.rosei.jp/readers-taiken/hr/article.php?entry_no=398大学等の職業実践力育成プログラム

・・・・・要するに、雇用保険の教育訓練給付制度を財源として使いたいという趣旨がにじみ出ています。これは、1回目の検討会の議事録の上にも、文部科学省の牧野専門教育課長補佐の発言として、

……本検討会で御議論いただく認定制度が労働行政を担当する厚労省や産業界、労働関係者の皆様から、厚労大臣が指定する教育訓練としてふさわしいものだと評価していただけますよう作り上げてまいりたいと文科省としては思っております。

※文部科学省「大学等における社会人の実践的・専門的な学び直しプログラムに関する検討会(第1回)議事録」→リンクはこちら

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/065/gijiroku/1357594.htm

――と、かなり明確に言われています。

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