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2015年6月27日 (土)

藤田孝典『下流老人』

17112 藤田孝典さんの新著『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=17112

年収400万でも、将来生活保護レベル!?

今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。そしておそらく、近い未来、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。現在すでに約600万人が一人暮らし、うち半数は生活保護レベルの暮らしをしているが、これは「他人事」ではない。日本の老後は、もはやかつてのものから一変した。間近に迫った日本の「老後総崩壊」に、どう対処すればいいのか? どんな自衛策があるのか?テレビ、新聞、ネットで活躍する、気鋭の若手ソーシャルワーカー、渾身の一冊。初の書き下ろし新書。このままでは、思い描いた老後は、もうこない

タイトルはやや釣り気味ですが、中身はシリアスです。

●第1章 下流老人とは何か

下流老人とはいったい何か

1:収入が著しく少「ない」

2:十分な貯蓄が「ない」

3:頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)

下流老人の何が問題なのか

Ⅰ:親世代と子ども世代が共倒れする

Ⅱ:価値観の崩壊

Ⅲ:若者世代の消費の低迷

ほか

●第2章 下流老人の現実

生活困窮者の現状/異口同音に「想定外」

<ケース1>飲食店などで働くも、野草で飢えをしのぐ加藤さん

<ケース2>うつ病の娘を支える永田さん夫婦

<ケース3>事務職員をしてきた山口さん

<ケース4>地方銀行に勤めていた藤原さん

●第3章 誰もがなり得る下流老人

――「普通」から「下流」への典型パターン――

【現状編】

<パターン1>病気や事故による高額な医療費の支払い

<パターン2>高齢者介護施設に入居できない

<パターン3>子どもがワーキングプア(年収200万円以下)や引きこもり

<パターン4>増加する熟年離婚

ほか

【近い未来編】

「一億総老後崩壊」の時代

もらえる年金が減るおそれ

年収400万円以下は下流化のリスクが高い

ほか

●第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日

放置される下流老人

努力できない出来損ないは死ぬべきなのか?

イギリス、恐怖の「貧困者収容所」法

ひっそりと死んでいく下流老人たち

ほか

●第5章 制度疲労と無策が生む下流老人

――個人に依存する政府――

1. 収入面の不備

2. 貯蓄・資産面の不備

3. 医療の不備

4. 介護保険の不備

ほか

●第6章 自分でできる自己防衛策

――どうすれば安らかな老後を迎えられるのか――

【知識の問題:対策編】生活保護を正しく知っておく

【意識の問題:対策編】そもそも社会制度とは何か

【医療の問題:対策編】今のうちから病気や介護に備える

ほか

●第7章 一億総老後崩壊を防ぐために

下流老人は国や社会が生み出すもの

日本の貧困を止める方策は?

制度をわかりやすく、受けやすく

生活保護を保険化してしまう!?

ほか

この目次の最後のところに「生活保護を保険化してしまう!?」という一瞬あれ?と思うような一句があります。

社会保険だったら「保険料を払ったのだからサービスを受けて当然」という発想になるのではないか、という逆転の発想で、生活保護の財源はすべての国民が月額100円を拠出するようにすれば良い、そうすればもっと気軽に受給できるようになるのではないか、という考え方です。

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» 過渡期には当然起こる事象なんだろうな:下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 [本読みの記録]
下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)作者: 藤田孝典出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/06/12メディア: 新書 一億総中流の夢から覚めた結果、一部老人が生活保護レベルまで落ち込んでしまっている。 本書で語られている"下流老人"の生活は非常に身につまされる。 本書の語る対策はダメダメだが、"下流老人"の実態だけは一読の価値がある。 ... [続きを読む]

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