フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

« 本田由紀編『現代社会論』 | トップページ | 首相、連合の次期幹部と会談 »

2015年6月27日 (土)

過労死・過労自殺の業種・職種別状況

厚生労働省が例年の過労死等の労災補償状況を公表しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000089447.html

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11402000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Hoshouka/h26noushin.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11402000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Hoshouka/h26seishin_1.pdf

1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

(1)請求件数は763 件で、前年度比21 件の減となり、3年連続で減少した。【 P 3 表1-1】

(2)支給決定件数は277件(うち死亡121件) で、前年度比29 件の減となり、2年連続で減少した。【 P 3 表1-1】

(3)業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業,郵便業」168 件 、「卸売業,小売業」 126 件、「建設業」97件の順で多く、支給決定件数は「運輸業,郵便業」92 件、「卸売業,小売業」35 件、「製造業」31 件の順に多い。【 P 4 表1-2】

中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「運輸業,郵便業」の「道路貨物運送業」 120 件、77 件が最多。【 P 5 表1-2-1、 P 6 表1-2-2】

(4)職種別 ( 大分類 ) では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」 149 件、「サービス職業従事者」125件、「専門的・技術的職業従事者」 102 件 の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」88 件、 「専門的・技術的職業従事者」44 件、「管理的職業従事者」37件の順に多い。【 P 7 表1-3】

中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「輸送・機械運転従事者」の「自動車運転従事者」 143 件、85 件が最多。【 P 8 表1-3-1、 P 9 表1-3-2】

(5)年齢別では、請求件数は「 50 ~ 59 歳」 251 件、「40~49歳」 222 件、「60 歳以上」198 件の順で多く、支給決定件数は「 50 ~ 59 歳」 111 件、「 40 ~ 49 歳」 93 件、「30~39 歳」39 件の順に多い。 【 P10  表1-4】

2  精神障害に関する事案の労災補償状況

(1) 請求件数は 1,456 件で、前年度比47 件の増となり、過去最多。【 P15  表2-1】

(2) 支給決定件数は 497 件(うち未遂を含む自殺99件)で、前年度比61 件の増となり、過去最多。【 P15  表2-1】

(3) 業種別( 大分類)では、請求件数は「製造業」 245 件、「医療,福祉」 236 件、「卸売業,小売業」213 件の順に多く、支給決定件数は「製造業」81 件、「卸売業,小売業」71 件、「運輸業,郵便業」63 件の順に多い。 【 P16  表2-2】

  中分類では 、請求件数は「医療,福祉」の「社会保険・社会福祉・介護事業」140件、支給決定件数は「運輸業,郵便業」の「道路貨物運送業」41 件 が最多。【 P17  表2-2-1、 P18  表2-2-2】

(4) 職種別(大分類)では、請求件数、支給決定件数ともに「専門的・技術的職業従事者」347件、110件、「事務従事者」336 件、99件、「サービス職業従事者」193 件、63件 の順に多い。 【 P19  表2-3】 

中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「事務従事者」の「一般事務従事者」 210 件、56 件が最多。【 P20  表2-3-1、 P21  表2-3-2】

(5) 年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに「40 ~49 歳」 454 件、140件、「30 ~3 9 歳」419 件、138件、「 20 ~ 29 歳」 297 件、104件の順に多い。 【 P22  表2-4】

(6) 出来事別の支給決定件数は、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」72件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」69 件 の順に多い。【 P26  表2-8】

業種別、職種別の詳しい表や図は、PDFファイルの方に載っていますので、それを見ながら考えて欲しいのですが、過労死と言われる脳心臓疾患の方はわりと単純で、なるほど長時間労働やってるところが過労死してるな、ということがよくわかります。

請求件数も支給決定件数も、ぶっちぎりでダントツに多いのが業種では運輸郵便業の中の道路貨物運送業、職種では輸送機械運転従事者の中の自動車運転従事者。桁違いに多い。その下に並ぶのも、いかにも長時間労働してる業種や職種です。

これに対して、過労自殺と言われる精神障害の方は、共通しているところもありますが、違うところもあります。まず業種で見ると、請求件数でダントツに多いのが医療福祉関係。中分類では1位が福祉介護事業で、2位が医療なのですから。ところが支給決定件数で見ると1位は道路貨物運送事業になって、介護は2位、医療は3位になってしまうんですね。

ここには、過労自殺認定が定量的な指標として長時間労働に頼らざるを得ないことが反映されているように思われます。長時間労働しているかどうかで見たら、トラック野郎にかなうものはなかなかいない。しかし、医療福祉業界には、時間だけでは計りきれないメンタルな不調をもたらす要因が結構あって、それが支給決定に至らない請求件数の多さに反映しているように思われるのです。

これは。個別労働紛争を細かく見ていくと、とりわけ医療福祉業界においていじめ・嫌がらせ事案の割合が高く、メンタルヘルスに何らかの問題を抱えた事案が多いことからも、そのように思われます。

私はもちろん長時間労働の問題点を強く指摘する立場であり、実際過労死の方についてはまさに長時間労働が最大の原因であることは間違いないと思いますが、いわゆる過労自殺、精神障害系の問題は、メンタルに作用する様々な要因が複雑に絡み合っていて、なかなか一筋縄ではいかない面があるなあ、と感じるところです。人間関係要因というのが、どういう場でどのように作用するのか、現時点でもなおやや群盲象を撫でているところがあるのではないかという気もしないではありません。

« 本田由紀編『現代社会論』 | トップページ | 首相、連合の次期幹部と会談 »

コメント

教員の過労自殺は、日常では多く聴くのですが、入っていないのだなと思いました。
4%の調整金でうやむやにされてしまっており、学校の施設が古く入館退館記録も一切取られず、過去の裁判記録を見ても、部活や持ち帰り残業も自主的なものなので労災に当たらないという判断が多く出ているのを見ると、そもそも民間なら認められるレベルが認められていないのかもと思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 過労死・過労自殺の業種・職種別状況:

« 本田由紀編『現代社会論』 | トップページ | 首相、連合の次期幹部と会談 »