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2015年6月 6日 (土)

『韓国における労働政策の展開と政労使の対応』

Korea JILPTの資料シリーズとして、『韓国における労働政策の展開と政労使の対応―非正規労働者問題の解決を中心に―』がアップされました。

http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2015/155.html

非正規労働者問題の解決に向けた韓国の政労使の対応を研究することによって、韓国の労働情報を提供するとともに日本の問題解決に示唆を与えること。

執筆は、JILPTの呉学殊さんに、東大特任助教の朴孝淑さん、早稲田博士課程の徐侖希さんです。

2007年に施行された非正規労働者保護関連法の主要内容は、次のとおりである。第1に、使用者が契約社員やパート労働者を2年以上雇い続けると期間の定めのない雇用としたとする「2年みなし規定」、第2に、パート労働者に所定外労働をさせるためには本人の同意を得ること、それの拒否を理由に不利益取り扱いをすることを禁止するとともに、契約労働者、パート労働者との雇用契約の際には労働条件の書面開示を義務付けた。前者の違反の際には2年以下の懲役または約100万円以下の罰金、後者の違反は50万円の過怠料が賦課される。第3に、2年を超えて派遣労働者を雇い続けた場合、直接雇用をしなければならず、その際、労働条件は同種・類似業務労働者がいる場合、それと同水準、いない場合派遣の時を下回ってはならない。第4に、契約社員、パート労働者、派遣社員の非正規労働者の従事する業務に新たな採用をするときには彼らを優先的に雇用すること、第5に、非正規労働者が当該事業所で類似・同種業務に従事している通常労働者に比べて非合理的な差別を受けた場合、その是正を労働委員会に申請することができる。その立証責任は使用者側にある。使用者が、正当な理由がないのに、労働委員会の是正命令に従わない場合、1,000万円の過怠料を賦課される。そして、第6に、労働委員会は差別是正の申請を受けた場合、原則60日以内に命令等の決定を下さなければならないというものであった。

関連法の施行に伴い、企業や公的機関は、2年契約満了を迎える労働者の約6割に対し、正社員転換か無期転換を行っている。特に、公的機関は、常時・持続的な業務についている労働者に対し、積極的に無期転換を行うとともに、処遇改善に積極的である。代表的なのはソウル市である。労働組合の一部は、無期転換の労働者をはじめ非正規労働者の組織化を積極的にすすめて、雇用の安定と処遇改善に取り組み、大きな成果を上げている。代表的な組織化対象労働者は、学校の非正規労働者、大学の清掃労働者、自治体の非正規労働者、ケーブル設置関係下請労働者、大手スーパー非正規労働者である。

以上の取組により、契約労働者を中心に非正規労働者の割合が下がり、また、無期契約転換者の雇用安定と処遇改善が図られるといった一定の成果が見られた。

中でも特に各論の、朴さんが執筆した「第 4 章 韓国における非正規労働者に対する「差別是正制度」について」と、徐さんが執筆した「第 5 章 K 銀行事件からみる韓国の期間制(有期)労働契約に関する法規制とその運用上の論点」と「第 6 章 H 自動車(U 工場)事件からみる韓国の労働者派遣問題」が、日本との関連で参考になります。

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