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首相、連合の次期幹部と会談

読売の記事ですが、他紙も似たような記事を載せています。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150628-OYT1T50014.html?from=ytop_ylist (首相、連合の次期幹部と会談…民主に揺さぶりか)

安倍首相が26日夜、連合傘下の産業別労組UAゼンセンの逢見直人会長と首相公邸で会談したことがわかった。

 関係者が27日、明らかにした。逢見氏は10月に連合事務局長に就任する見通しで、政府が進める労働法制改革などについて意見交換したとみられる。

 労働法制改革をめぐっては、派遣社員の柔軟な働き方を認める労働者派遣法改正案が19日に衆院を通過したほか、働いた時間ではなく成果に応じて賃金を決める労働基準法改正案の審議も控えている。連合は民主党と足並みをそろえ、労働法制の見直しに強く反対している。

 首相側には、逢見氏との会談で民主党に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。連合内からは、「安倍政権と対決しているにもかかわらず、裏で労働組合関係者が手を握っていると思われる。非常に軽率な行動だ」(幹部)などと会談への批判も出ている。

まあ、政治部の記者が政治面に書く記事ですから、どうしても政局がらみの政治家的目線になるのは仕方がないのかも知れませんが、ここはやはり、労働組合とは政治団体でもなければ思想団体でもなく宗教団体でもなく、労働者の利益を最大化し、不利益を最小化することを、ただそれのみを目的とする利益団体であるという、労使関係論の基本の「キ」に立ち返ってもらいたいところです。

労働者の利益のために白猫が役立つのであれば白猫を使うし、白猫が役に立たないのであれば黒猫を使う、というのは、労働組合を政治団体か思想団体と思い込んでいる人にとっては原理的に許しがたいことかも知れませんが、利益団体としての立場からすれば何ら不思議なことではありません。

政権と対決して労働者の利益が増大するのであればそういう行動を取るべきでしょうし、そうでないのであれば別のやり方を取るというのも、利益団体としては当然です。

問題はむしろその先です。

利益団体としての行動の評価は、それによってどれだけ利益を勝ち取ったかによって測られることになります。それだけの覚悟というか、裏返せば自信があるか。

逆に言えば、政権中枢と直接取引してそれだけの利益を勝ち取る自信がないような弱小団体は、下手に飛び込んで恥をかくよりも、外側でわぁわぁと騒いでいるだけの方が得であることも間違いありません。しかしそれは万年野党主義に安住することでもあります。

上の記事は政治部記者目線の記事なので、政治アクターにとっての有利不利という観点だけで書かれていますが、労使関係論的に言えば、労働組合の政治戦略としてのひとつの賭であるという観点が重要でしょう。

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