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6年前に書かれているにも関わらず、今なお内容が古くなっていないと言うのはむしろ悲劇

読書メーターに拙著『新しい労働社会』の再読書評が。

http://bookmeter.com/cmt/47649786balthazar

1310391459889134009635年ぐらい前に読んだ本の再読。最初読んだ時には内容をあまり良くわかっていなかったことを改めて痛感。日本の雇用形態が著者の言うメンバーシップ制であるゆえに不安定な非正規雇用や雇用保険などの社会保障の不全など様々な問題をもたらしていることが良く理解できる。そしてその改革が中々難しいことも。6年前に書かれているにも関わらず、今なお内容が古くなっていないと言うのはむしろ悲劇。もういい加減にこの著者の問題意識を共有して改革への端緒を付けようよ。

「6年前に書かれているにも関わらず、今なお内容が古くなっていないと言うのはむしろ悲劇」というのは、褒め殺しならぬ貶し殺しの賛辞として有り難く頂きます。

(追記)

も一つ載りました。

http://bookmeter.com/cmt/47751614 (ぷはは)

まだ少し自分には難しかったようだ。労働法や給与体系の知識が乏しすぎる以前に、こういう労働関係の用語が頻出する文章自体に慣れていないため、普段読んでる本の3倍くらいの時間がかかる。もう少ししたらまた挑戦することにしたいが、ともかくは流し読み。あと、『自由への問い⑥労働』の掲載論文でかなりの部分が重なるので、そちらを参照。または著者のブログ等を活用するのがよかろう。

ついでに、他の諸著についても読書メーターに新たな短評が。

http://bookmeter.com/cmt/47709212sam

112483コンパクトな新書ながら、日本の雇用の歴史、現在に至る問題点、そして労働関係法令と判例を盛り込まれており。非正規化という雇用の流動化=漂流化が進んでいる現在日本の労働問題を考える入門書として最適である。

http://bookmeter.com/cmt/47709869sam

Chuko「日本の雇用と労働法」に続いて「若者」の雇用問題をテーマにした著書。若者の「就職」=「入社」を切口に日本的な労使関係の課題が浮き彫りされている。著者はジョブ型社会(同一労働同一賃金)に向けた政策提案をしており、それに対する経営側の動きは分析されているが、経営側に対抗すべき労働組合(連合)側がどのように考えているかが触れられていない。恐らく、正社員組合の連合体である連合にはそうした政策提案は実質的にないということなのだろう。

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新しい労働社会」カテゴリの記事

コメント

そういえばこんな面白い論考が「シノドス」に出てます。濱口先生の論評が読みたいです。

「共働き社会化」の光と影――家族と格差のやっかいな関係
筒井淳也 / 計量社会学
http://synodos.jp/society/14162

私のも「シノドス」にまたでます。前回のはhttp://synodos.jp/society/14091アニメ業界の皆さんを大激怒させてしまいました。

投稿: くみかおる | 2015年6月 3日 (水) 18時06分

かつて、やや似たようなことを書いたことを思い出しました。


http://homepage3.nifty.com/hamachan/sabetutokakusa.html(「差別と格差の大きな差」(『時の法令』2007年5月15日号))


 しかしながら、「差別」と「格差」の間には大きな「差」がある。場合によっては、差別をなくすことが格差を生むこともあり、差別をすることが格差をなくすこともある。差別禁止論のベースにあるのは、同じ仕事をしている以上同じ賃金を支払われるべきだという同一労働同一賃金原則の考え方である。しかしこの考え方は同時に、市場価値の低い労働にはそれに応じた低い賃金が支払われるべきだというインプリケーションをも有する。
 夫と妻の収入が男女差別の故に大きな差が生じているとき、その差別は実は世帯単位で見た格差を縮小する働きを持っている場合もある。男女差別をなくし、優秀な妻がその能力に応じた収入を十全に得られるようになることは、他の世帯で優秀でない夫が男であるという理由で得ていた収入を得られなくなることと相まって、世帯単位で見た所得格差を拡大する働きを持ちうる。皮肉な話だが、差別の解消が格差を生むという因果関係がありうるのだ。
 もちろん、不況の中で正社員の夫が失業したり、あるいは離婚等によりシングルマザーとなったりした場合、パート労働者の低賃金は直ちにその世帯の低所得として跳ね返ってくる。パート労働者が家計を維持しなければならない状況がじわじわと拡大してくる中で、パートの均等待遇問題は単にジェンダー視点から不正であると批判されるにとどまらず、階層論的視点からも疑義が提起されてくることにもなる。
 とはいえ、現在非正規労働問題がこれだけ世の関心を集めている最大の理由は、「差別」よりも「格差」への問題意識からであろう。本来ならば学校卒業とともに正社員として就職しているべき若者たちが、不況の中でその機会を得られないままフリーターとして低賃金・不安定雇用を続けざるを得ない状況、まさにキャリアからの排除が社会的排除を生み出している状況への問題意識であろう。彼らの多くはフルタイムの非正規労働者である。短時間労働者であることを理由とする差別禁止は、緩くても厳しくても彼らには何の関わりもない。男女平等の問題意識で進められてきたパートの差別禁止政策をそのままの形で進めることは、格差是正という観点からはこのように大変パラドクシカルな性格を有するのである。

投稿: hamachan | 2015年6月 3日 (水) 20時58分

そうです、これです。これをすぐに思い出しました。

投稿: くみかおる | 2015年6月 4日 (木) 04時18分

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