グスタフ・ランダウアー『自治-協同社会宣言』
連合総研前副所長の龍井葉二さんより、グスタフ・ランダウアー『自治-協同社会宣言 社会主義への呼びかけ』(同時代社)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.doujidaisya.co.jp/book/b199779.html
貧困と隷属からの脱出を導くのは『資本論』ではない! いま鮮烈によみがえる100年前の呼びかけ!
この本、表紙にも奥付にも、著者ランダウア-と訳者の寺尾佐樹子さんの名前しか載っていませんが、おそらく本書のプロデュースは龍井さんでしょう。冒頭に、「本書使用上の注意」という解説を書かれていて、この100年以上昔にドイツで刊行された非マルクス主義の社会主義者(むしろプルードン主義者)の講演録の持つ今日的意義を熱っぽく説いています。
本書使用上の注意――龍井葉二
序文 第二版
第一版
1 社会主義とは何か?
2 没落から上昇への道のり
3 精神を欠いた世界
4 社会主義の本分と実際
5 マルクス主義
6 資本主義の先にある未来?
7 共同体の再生
8 共同精神・民衆・連合
付録 社会主義同盟十二箇条
人名索引・解説
訳者あとがき――寺尾佐樹子
本書の内容を一番端的に述べるとすると、「本書使用上の注意」で龍井さんが太字で書いている台詞になるのでしょう。
1 本書は今から100年ほど前にドイツで出版された講演録ですが、賞味期限は過ぎていません。「国家」「科学」「進歩」といった価値観に対して根本的な疑問を投げかけたこの呼びかけは、20世紀文明の限界が露呈している今こそ味読されるべき旬のものと言えます。
2 本書は、いまの社会のあり方に代わる手軽なビジョンを提示するものではありません。むしろ、私たちを縛っている発想法そのものの転換を促し、各人が「いま・ここ」から行動を開始することを呼びかけたものですので、、ご注意ください。
3 本書の原題は「社会主義への呼びかけ」ですが、私たちがなじんでいる社会主義とはかなり異なります。マルクス主義や科学的社会主義の信奉者には目眩などの副作用が生じるかもしれませんが、そのまま読み続けることをお薦めします。
3で言われている「目眩」は、多分5節の「マルクス主義」を読むとかなり感じるのでしょうね。「国家資本主義者マルクス」など、なかなか辛辣に批判しています。
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