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2015年5月 1日 (金)

クリエイティブじゃない経済学部学生

04031652_551e46ae058c4_2先日、大坂洋さんからお送りいただいた『経済学と経済教育の未来』をご紹介し、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-f5da.html

そこにコメントいただいた大坂さんがご自分のブログで紹介された後、

http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20150421/p1

稲葉振一郎氏の慫慂に応じて、

http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20150426/p2(吉原直毅氏の参照基準への発言について)

Seminaを書かれ、その中で、『経済セミナー』5月号における岩本康志氏と吉原直毅氏の対談を読むようにと言われていたので、ぱらぱらと読んで見ました。その中に、大変興味深い一節があったので、こちらでもご紹介しておきたいと思います。

吉原さんの発言です。

・・・例えば、私が一橋の学部1年生向け「経済思想入門」を担当した時の経験です。私自身は思想家ではないので、いろいろな学説の理論史的な話を中心に講義しました。この課目は経済学部1年の必修なので、彼らは殆ど履修するのですが、法学部や社会学部の学生も多少受講していました。その試験の答案を見ると、法学部や社会学部の優秀な答案と、経済学部の優秀な層の答案は、非常に対照的でした。

 試験問題は「自分の思うところを述べよ」という、エッセイに近いようなものを出したのです。経済学部生の優秀な答案は、私の教えた理論展開をきちんとフォローしている。要するに数理的な解説部分を忠実に再現し、的確にまとめている。その点で非常に良い。ただ、基本的に私が講義で話したことを繰り返しているだけで、それを自分なりに話を膨らませるなどのクリエイティブな部分が殆どないのです。一方、社会学部や法学部の学生の優れた答案というのは、逆に私自身が与えたテーマを自分自身のテーマにうまく関連づけつつ、読書で得た知識なども加えながら自由に議論を展開する。非常にユニークな論述になっているわけです。

 経済学部生の中に法学部や社会学部タイプの答案は全く見られなかった。これは、現在の経済学の教育の在り方を反映しているのかな、という印象があります。自分なりのモチベーションに結びつけながら、クリエイティブな議論を展開するような学生が、経済学部を志望しなくなっているのではないか。私自身の経験で言うと、昔はそういう学生が経済学部にも間違いなくいました。ところが、そのようなタイプの学生は、今は経済学に魅力を感じていないのではないかと思います。・・・

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