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2015年4月 2日 (木)

大内裕和・今野晴貴『ブラックバイト』

9784906708574大内裕和・今野晴貴『ブラックバイト』(堀之内出版)をお送りいただきました。ありがとうございます。

先日紹介した『現代思想』4月号のあまりにも凝縮された大内・今野対談を、一冊の本として読みやすくしたという感じです。

学生なのに「学生気分は捨てろ!」。ブラック企業は、何も知らない学生たちを労働力として目を付け始めた。「ブラック企業」に続く日本の労働環境の破壊「ブラックバイト」問題。「昔からバイトばかりしてる奴いた」とはレベルが違う。過労死ラインを超えたシフト、商品の自腹購入、パワハラや暴力。法律違反の契約書を結ばせ「これが社会」と従属させる。四月、親元から離れて頑張ろうとする真面目な学生ほど危ない!精緻な分析と対応法をまとめた学生、親、教育関係者必読の「ブラックバイト」を知る決定版の1冊。

第1章と第2章が、今野さんによるこれでもかこれでもか的なブラックバイトの実例続々。

真ん中の第4章と第5章が大内さんによる特に教育システムとの関係から見た理論的分析。

最後の第6章以下は再び今野さんによる労働の観点からのブラックバイト論と実戦的なアドバイスの数々、という構成です。

はじめに

第1章 ブラックバイトの被害実態
大手アパレル店
すき家
大手一〇〇円ショップ
大手コンビニエンスストア

第2章 ブラックバイトのパターン
A 職場への過剰な組み込み
①緊急の呼び出し/②長時間労働・深夜勤務/③シフトの強要/④複数店舗・遠距離へのヘルプ/⑤「責任感」で辞めさせない/⑥ノルマ・罰金・商品の自腹購入
B 最大限安く働かせる
⑦最低賃金ぎりぎりで上がらない賃金/⑧未払い賃金・サービス残業/⑨仕事道具の自腹購入/⑩不十分な研修で即戦力化
C「職場の論理」に従属させる人格的支配
⑪パワハラや暴力による従属/⑫不当な内容の契約書による支配

第3章 全国アルバイト学生調査結
全国的な問題の広がり
労働時間
シフトの一方的な増減
アルバイト先での不当な扱い
経済的な事情

第4章 ブラックバイトを生み出す日本の貧困
急激に上昇した大学の学費
九〇年代後半から大幅に減少した親の年収
急増する奨学金受給─ブラックバイトを助長する奨学金制度
企業社会統合と教育をめぐる脆弱性
日本社会に広がった「私費負担」当然視の感覚
「努力主義」がもたらした弊害
ヨーロッパとの差異─スキルと資格による「能力証明」 
アメリカとの差異─私立セクターが異常に大きい日本
「貧困ビジネス」と化した奨学金制度
経済と教育と個人の関係の構造変動―「債権」にされていく学生
「ブラック国家」の構図がブラックバイトを生み出す
「親負担による私費負担」と「生まれによる差別」 ─奨学金が不公正を増幅する

第5章 ブラックバイトと教育の変化
大学からアルバイトへ─変容する学生の「帰属意識」
「やりがい」の付与と「仲間意識」の形成─アルバイトへの帰属を支えるもの
教育内容が「空洞化」した戦後教育
教職員組合の問題
「空洞化による職業準備」、機能不全に陥る教育
大学のビジネス化
「キャリア教育」に傾倒する大学 
「キャリア教育」の恐ろしさ─大学四年間はすべて「就活」のため?!
大学教育を蝕み、批判能力を奪う「キャリア教育」
中身のない「キャリア教育」からブラックバイトへ
「頑張り方」の分からない教育が、学生をブラックバイトに駆り立てる

第6章 ブラックバイトと労働の変化
ブラックバイトと労働社会の変化
「非正規」が「非正規」でいられない時代
対立軸が変容する「職場」

第7章 ブラックバイトの弊害と定義
労働力再生産への弊害と産業の衰退
「ブラック企業」への馴致
消費者にとっての弊害
「ブラック国家」
ブラックバイトの定義
なぜブラックバイトを学生に限定するのか

第8章 ブラックバイトと労働法
パターンごとの法律問題
解決方法
業界全体の改善へ
ブラックバイトをなくすための政策

第9章 ブラックバイトに立ち向かうユニオン・支援者集団
ブラックバイトユニオンの結成
全国に広がる学生ユニオンの動き
専門家による支援のネットワーク

おわりに

例のすき家でメガ丼の作り方をYahoo知恵袋で調べたというエピソードも載っていますが、もっと凄惨な話しも山盛りです。

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