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2015年3月17日 (火)

メンバーシップ型の劣化バージョンでしゃにむに頑張らせるなんちゃってベンチャー

1月22日の規制改革会議は、労務屋さんも賛嘆する豪華メンバー(中野円佳、吉田典史、海老原嗣生、高田英樹)でしたが、

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20150313#p1(「育休世代のジレンマ」のジレンマ)

そこでも登場した吉田典史さんがダイヤモンドオンラインで連載している「黒い職場の事件簿~タテマエばかりの人外魔境で生き残れるか?」に、「20代高学歴女性を飼い殺す大企業のホンネ」というこれまたおどろおどろしいタイトルの記事が載っています。

http://diamond.jp/articles/-/68499

上下からなるロングバージョンですが、その下に、実に見事に現実を切り取った表現が出てきます。

A氏 そうですね。「女性の職場進出」を突き詰めると、会社にぶら下がらない、職業意識を持たないといけない。会社にどっぷりとつかる、いわば、「メンバーシップ」ではなく、職業意識を持ち、職業を切り口に会社と関わる「ジョブ意識」になるのが、自然の流れかもしれないですよね。

A氏 だけど、そのような意識を持っていない人を採用しているし、入社後、あえて持たせないように仕向けられているんですよ。特に社長は、中途半端なプロ意識や職業意識を20代の早いうちに潰してしまえ、と部課長に教え込む。

 社長は、ベストセラー『ビジョナリーカンパニー』(日経BP社)を愛読し、「誰をバスに乗せるか」という表現に強烈に影響を受けている。誰と一緒にビジネスをやるのか。それで結果が左右されるということですね。つまりは、仲間意識ですよ。「バスでどこに向かうか」よりは、「この人は、バスに乗せる仲間か否か」を重視するということ。妙な職業意識やプロ意識など、いらないという考えです。

 この異様な仲間意識があれば、ハードな仕事もがんばれるし、少々、理不尽な配置転換を受け入れることもできる。あながち、誤りではないし、マネジメントの本質ではあると思う。今は、「この人は、バスに乗せる仲間か否か」といった意識が、多くの会社に巧妙に浸透しているんですね。必要以上に…。

筆者 このあたりは、メディアも有識者も見事なまでに見誤っているんですよ。ジョブ意識を持たせないようにしているのが、実は経営者やその取り巻きですよ。インテリは、企業社会の現場をパーフェクトに知らないから。

A氏は、この状況を「明るい北朝鮮」と呼んでいるのですが、それはともかく、この「仲間意識」最優先への筆鋒は鋭いものがあります。

A氏 もはや、新規のビジネスモデルなどを次々とつくることがなかなかできない。小さくなる市場でシェアの奪い合いをせざるを得ない。それぞれの部署では仕事の量を増やすけど、20代にはさしたる権限を与えない。市場は激変し、事業の再編は繰り返されるから、配転も増える。リストラも減ることはない。こんな場合、「誰をバスに乗せるか」「価値観共有」が唱えられる。つまり、翻訳、ですよね。ホンネとタテマエをすり替えている。そのことに、20~30代の社員は気がつかない。

「誰をバスに乗せるか」「価値観共有」をもっと浸透しやくするために、社長たちが口にしているのが、「成長」「仲間」「夢」「未来」などで、まるで少年向けの某漫画雑誌みたい。これにまんまとはまる、若い人は多い。

 この路線を盛んに唱える経営者は、売上数十億円で、社員数が50~300人までくらいの、行き詰まったベンチャーや中小企業に多いですよ。創業30~50年ほどで、歴史の長い中堅・中小企業で、業績が30~60億円で行き詰まり、ビジネスモデルに大きなきしみがある会社でも、よく見かける。大企業になりきれていない、ベンチャー企業でも見かけますね。

 特にベンチャー企業の場合、本来は「アドベンチャー」なわけですよ。新規ビジネスを次々と興すことが前提になる。ところが経営陣が「誰をバスに乗せるか」「価値観共有」をしつこく説くベンチャー企業は、もともと創業の頃から、既存事業をそのまま踏襲し、販売したりして、たまたま売れたというケースが目立つ。つまりは、新規事業を興すようなカルチャーがないのです。

 この「なんちゃってベンチャー」が今はものすごく多い。ましてここ数年、景気がいいから、一応勢いがあり、採用をどんどん増やしている。そこでまた、「誰をバスに乗せるか」「価値観共有」を説く。これと、「女性の職場進出」が奇妙に重なるわけですよ。

メンバーシップ型の劣化バージョンでしゃにむに頑張らせるなんちゃってベンチャーというわけですか。

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