溝上憲文『2016年残業代がゼロになる』
溝上憲文さんより『2016年残業代がゼロになる』(光文社)をお送りいただきました。ありがとうございます。
溝上さんは労働ジャーナリストとしていろんな方面を熱心に取材して記事を書かれており、本書でもそれがよくわかる記述がかなりあります。
ただ、とはいえ、このタイトルは、まさしく今までの時間無限定正社員を前提にして、ただひたすら残業代ゼロになるぞ、怖いぞ、大変だぞ、と煽っているだけで、労働時間のあり方を根本に戻って考え直そうというものにはなっていないように思えます。
中ではちゃんと、鶴光太郎氏や島田陽一氏らも登場し、規制改革会議の三位一体改革論から何が抜け落ちたのかも的確に指摘をしていながら、最後の結論のところの、あまりにも旧来の無限定正社員感覚を前提にした「正社員消滅計画」なる煽りは、正直いかがなものかと思いました。
もちろん、それは産業競争力会議における議論のねじれ自体の反映であるわけですが、残業代がゼロになるのを阻止すれば、今現在の長時間労働自体は批判の対象ではなくなるのだろうか、と読者に疑問を提起する部分があってもよかったのではないかと思います。
いや、それでは、どっちを向いているんだ、立場を明確にしろという類いの批判に晒されるのでしょうけど。
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