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2015年3月27日 (金)

「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の在り方について(審議のまとめ)」

冨山和彦氏がL型大学というややミスリーディング気味の宣伝をしたために妙に話題になった職業大学構想の有識者会議が、本日「審議のまとめ」を公表したようです。

これが本文で、

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1356314_2_1_1.pdf

これが概要ですが、

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1356314_1_1_1.pdf

時間があれば本文をざっとでも読んでいただきたいところですが、ここでは概要の方をつまみ食い的に紹介しておきます。

前説はいろいろと書いていますが、要するところ

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関を創設し、高等教育を多様化

ここに疑問がある方はじっくりと読んでください。そこはもうわかっているという方は、次の「新たな高等教育機関の基本的な方向性」で、

○ 高等教育を多様化し、機能別分化・複線化を図るため、質の高い専門職業人を養成する 機関として、 新たな機関を既存の大学等と比肩する高等教育機関と位置付ける必要。

○ 産業界と連携しつつ、どのような職業人にも必要な基本的な知識・能力とともに、実務経験に基づく 最新の専門的・実践的な知識や技術を教育する機関とする。

○ 教育内容・方法、教員、施設・設備、評価等の基準は、新たな機関の目的に最適な枠組みとして新設。 諸外国の専門大学も参考に、国際的認知を得られるものとする。

○ 単に現行の大学等の設置基準より低い基準とするのではなく、実践的な職業教育の質を確保しうる仕 組みを備えた高等教育機関とするとの考え方で制度設計を行う。 経緯 教育再生実行会議の第五次提言(H26.7)を受け、平成26年10月から「実践的な職業教育を行う 新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」(座長:黒田壽二 金沢工業大学学園長・総長) を開催。平成27年3月、「審議のまとめ」を公表。

○ 18歳人口の過半数が大学に進学する中、産業の高度化に対応した人材養成の高度化と、学修成果の国 際的・国内的な通用性の確保が重要であることから、新たな高等教育機関を大学体系に位置付け、学位 授与機関とすることが有益。

○ 高等教育の多様化を図るには、大学・短大・質の高い教育を行う専門学校が自らの判断で円滑に移行し うる仕組みとし、選択肢を増やす必要。 (既存学校種の学部等の一部を移行し、併設も可能)

大学体系の中に位置付ける方向を基本として、中教審で更に検討

それを前提にして、「制度化に当たっての個別主要論点」が論じられています。

(1) 目的 ○ 主たる目的として「質の高い専門職業人養成のための教育」を位置付け。 ○ 「研究」を主たる目的と位置付けずに、例えば、教育内容を学術の進展や技術革新に即応さ せるために行うもの等と位置付けることが妥当か等について今後検討。

(2) 教育内容・方法 ○ 専門教育とその基盤となる教養教育にわたって体系的な教育課程を編成。 ○ どのような職業人にも必要とされる知識や思考法等、変化の激しい実社会を主体的に生きてい くために必要な活用力・応用力の基盤形成が重要。コミュニケーションスキル・ICTスキル等の 基本的な能力や、インターンシップ等を通じた協調性・責任感等の育成にも配慮。 ○ 教育課程編成に産業界の一定の参画が得られる仕組みとする方向で検討。 ○ 実習、実技、演習、実験等を重視。PBLやインターンシップ等を積極的に取り入れ。 ○ 卒業要件は、修業年限4年の場合は124単位、2年は62単位等、大学・短期大学と同水準。

(3) 入学者受入れ、編入学 ○ 社会人と高等学校等の新卒者のいずれもが入学。その際、専門学科卒業者の知識・能力等の深 化・発展や、普通科卒業生の専攻分野の学修への円滑な導入に配慮。 ○ 大学への編入学や大学からの転学者の受入れなど、進路変更の柔軟化に配慮。

(4) 修業年限 ○ 修業年限は2~4年。 ○ 社会人の学び直しに対応するため、学位プログラムのモジュール化による短期履修を可能と する工夫や、その積み上げにより学位授与を可能とすることも検討。 ○ 4年制の場合、前期課程(2~3年)と後期課程(1~2年)の二段階編成も検討。この場合、前期 課程修了者は学位(短期大学士相当)を取得した上で、就職のほか、後期課程への進級や大学 への編入学等を選択可能に。後期課程への入学者は、就職しながら進級する者や、数年間の実 務経験を経てから学び直す者等を想定。

(5) 学位 ○ 「学士」「短期大学士」相当の学位を授与。 ○ 「学士」「短期大学士」に相当する職業学位という概念が適切かについて今後検討。

(6) 教員

① 必要教員数 ○ 新たな高等教育機関では、研究活動に大きなエフォートは求められないが、教育活動として重 視する実習・実技・演習・実験等の実施には大きなエフォートが求められる。この点や、現在 の大学・短期大学の教員数に関する基準を踏まえてさらに検討。 ○ 人材需要が高度に専門的であるため、新たな高等教育機関では少ない収容定員に対する基準を 設定し、少人数の教員・学生による学科を設置しやすくすることも検討。

② 教員の資格要件 ○ 教員の資格は、教育上の指導能力の有無に最重点を置く。 ○ 卓越した実績を伴う実務家教員を一定割合で配置(分野ごとの特性に配慮)。企業等と兼任す る教員も、一定条件の下、必要教員数に算入できる仕組みに。 ○ 実務に関する能力を保証できる仕組みを検討。FDによる指導力向上も求める。 ○ 専門分野の研究を通じて論理的思考等の訓練を積んだ教員も一定程度確保。

(7) 施設・設備等 ○ 実践的な職業教育を行う上で必要な施設・設備を備えることが不可欠。ただし、職業分野の特性 や、実社会の変化に柔軟に対応する必要があることに留意が必要。学生の安定的利用が確保され ている場合は必ずしも自己所有を求めないとすることや、支障のない範囲内で、併設する学校と 一定の共用を認めることも考えられる。 ○ 分野に応じた図書等の資料を活用できるようにしたり、自発的学習できる学習環境の整備が必要 (ICTの活用も検討)。 運動場や体育館を必置とするかについて要検討。 ○ 校地・校舎面積は、質の高い専門職業人養成に必要な施設・設備を備えられる適切な基準とする。 産業界と連携した実習等や、社会人の通学の利便性の向上、企業等と兼任する実務家教員の確保 など特に校地面積の確保が困難な場所への立地の必要性も踏まえて今後検討。

(8) 質の保証システム

① 設置認可 ○ 大学設置基準等とは別に、実践的な職業教育を行うのに相応しい設置基準を設定。 ○ 設置者は国、地方公共団体及び学校法人。設置認可は文部科学大臣が行う。

② 情報公開 ○ 教育情報や財務情報を公開(「大学ポートレート」への参画等)。 ○ 卒業生の社会における評価等(例:学生の資格・ 検定試験等の合格率、卒業者に対する就職先 企業からの評価、学生の授業評価の結果等)も情報公開、自己点検・評価や第三者評価の指標と しても活用。

③ 自己点検・評価、第三者評価 ○ 新たな高等教育機関が主体性をもって自己点検・評価を行う。また、第三者評価として認証評価を実 施。その際、機関別評価に加え、各分野の専門性に応じた分野別評価を実施。

④ 公的助成 ○ 設置基準に相応しい助成水準の検討、追加的財政需要に見合った財源確保が必要。 ○ 成果に応じた配分による質の保証へのインセンティブを設けることも検討。

⑤ その他 ○ 設置認可や評価においては、産業界の協力を得て教育の質を確保(資格との関係に留意)。 ○ 経営悪化や産業界のニーズの変化等により教育の質の保証ができなくなった場合の対応として、 円滑な教育の改善・刷新の仕組みや学生保護方策等について検討。

そして「その他の検討課題」として、

(1) 名称 ○ 「専門職業大学」や「専門職大学」が考えられるが、適切な名称を今後検討。

(2) 分野 ○ 制度として職業分野の限定は行わない。設置基準における分野の種類は更に検討。

(3) 卒業者の実社会での活躍に向けた産業界との連携・協力 ○ 卒業者の出口確保や、実社会での活躍のためには、産業界の連携・協力が不可欠。また、産業界 にとっても人材確保に有用な仕組みとなることが望まれる。 ○ 職業分野別団体等の支援・協力体制の構築に向け、行政レベルでの検討も進める。 ○ 企業等が、専門職業人に相応しい採用方法や採用後の人材活用に見直すことも重要。 ○ 4年課程の修了者が就職時に大卒と同等に処遇されること等により、新しい高等教育機関の位置 づけが社会的にも既存の大学等と比肩するものとなるような配慮を期待。

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コメント

ようやく方向性がまとまったということでしょうね。

これに対して、アカデミズム側は具体的で現実的な改革案を早急に提示すべきです。そうでなければ、またぞろ、バカげた非現実的な改革に翻弄されるだけでしょう。

同時に肥大化した大学院の整理も進める必要があるでしょうね。文科省が音頭をとって、こちらも早急に進めるべきです。

頭が痛いのは既存の大学院修了者、オーバードクター問題ですね。せっかく税金を投入して育てた人材ですから有効活用すべきですが、STAP細胞事件で露呈したように全くクオリティコントロールができていなかったわけで、対処は難しいですね。。。

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