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2015年3月 3日 (火)

労働者の主体的なキャリア形成 

田中萬年さんが、青少年雇用促進法と一緒に改正される職業能力開発促進法の規定に疑問を呈しておられますが、

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20150228/1425082230

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20150302/1425259721

一昨日の「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案要綱」ですが、簡単に言えば学校卒業者への職業能力の付与、職業訓練の実施の問題ですよね。

 しかも「職業能力開発」を向上すべき義務が青年達に求められている!! 時代錯誤では無いですか?? 私の感覚がおかしい…?。

 確かに、世界に例の無い「労働の権利と義務」がわが国の憲法に規定されていますが、それをまねたのでしょうか? それにしても権利が無い??

 でも、職業能力の向上が青年達の義務になっていることは世界の国の例として聞いたことがありません。

 「青少年の雇用対策法」なのですから、権利なら分かりますが。

 ま、欧米のように職業能力を習得させることが学校の目的の一つだとして、もう少し学校で職業技術教育をしていれば良いのですが、それが期待できないから、とりあえず可能なキャリア教育とか、卒業者への職業能力と言っているのですが…。

いや、私は別に、ネット上の誤解解説特命係を拝命したわけでも何でもないのですから、そのままにしておいてもいいのですが、田中萬年さんのような職業訓練の権威がこういうことを言われると、ちょっとまずいかな・・・と。

まずもって、今回の改正案に盛り込まれた「基本的理念」

労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとすること。

のもとになった労政審建議の文言は、

(4)職業人生を通じた労働者の主体的なキャリア形成について

○労働者の主体的なキャリア形成を図ることは、職業能力開発に対する意欲を高め、豊かな職業人生をもたらすなどの効果がある。このため、職業人生を通じて、労働者が自ら自覚を持ってキャリア形成に取り組むことが必要であり、また離職者については国・都道府県、在職者については事業主が、職業能力開発の至要な担い手になることに留意しつつ、関係者が労働者のキャリア形成を支援していくことが重要である。

です。そして、このうち、事業主の責務、都道府県の責務については、既に職業能力開発促進法第4条に規定されています。

今回の改正はこれに加えて、労働者自身をも職業能力開発の主体として位置づけようというものです。

これまではそう位置づけられていなかった?

そう、それこそが問題ではないか、というのがここでの問題意識です。

いや確かに、事業主に責任を負わせるのはいい。だけど、それだけが過度に強調されすぎると、それこそ会社の必要のために会社に役立つ技能を労働者に付与させることが会社の責務という自己完結的な円環の中をぐるぐる回るだけになります。

そこには、会社とは別個の一人の職業人としての労働者の主体的な職業能力を発展させていくという契機は浮かび上がりにくくなります。いやいや、余計なことを考えずに、会社のいうとおり、会社の命令に従って仕事を覚えていけば、ちゃんと一生保証されるよ、と。

そういう会社型職業能力開発至上主義ではまずいだろうという問題意識が背景にあっての、「労働者の主体的なキャリア形成」という話なのですから、いささかメンコの付け所がずれている感を否めません。

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