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2015年3月 5日 (木)

岡山茂『格差時代の労働法制改革への提言 』

4735_m岡山茂さんより『格差時代の労働法制改革への提言 私の労働行政を振り返って』(労務行政)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.rosei.jp/products/detail.php?item_no=4735

元・労働省官房審議官の著者が、45年の長きにわたり労働行政に従事した自身の経験を振り返りつつ、今後の労働行政の展開や労働法制の改革について、非正規雇用と長時間労働の改善を中心に、具体的かつ鋭く提言する。

オビで山口浩一郎先生が「役人とは思えぬ思い切った提言をしている」と書かれているので、どんなことを書いているのだろうと思って読んでいくと・・・・、

まず提言以前に、役人時代の経験について結構赤裸々に書かれています。

監督課の法規係長時代、まだ派遣法制定前で、職安法上違法の疑いが濃かった業務処理請負業が広がってきた頃の思い出:

・・・あるとき、職業安定局から、「労供は中間搾取になるので、労働基準局で答弁を作成すべきである」といってきた。私は、問題は事案が労供禁止に当たるかどうかであるから、従来同様に職業安定局で書くべきものだと押し返したところ、担当の業務指導課長が主張して頑張っているとのことであった。そこで私は、しようがないので、直接業務指導課長に説明に行った。同課長の言うのには、「労供の場合は他人の就業に介入して利益を得ており、中間搾取に当たるので、労働基準法6条で取り締まるべきだ。・・・」

 私は驚いたが、問題は現在広がっている人材派遣ビジネスの実態が禁止されている労供に該当するかが問われているのであり、職業安定局が該当すると明確に決定し取り締まることをしないで、労働基準局に中間搾取で取り締まれとは無茶な話だと反論したが課長は納得しない。

これは駄目だと思い、どうしようかと考えていたとき、壁を見ると、職業安定局長の在籍のランプがついていた。そこで私は、「局長に決めてもらいましょう」といって局長室に飛び込んだ。課長も仕方なく入ってこられた。

そこで私は、同様のことを局長に述べるとともに、次のように付け加えた。「今の人材派遣ビジネスは、労働者を他人に使用させており、労供の法律の規定にズバリ該当している。安定行政がこれを違法として摘発する(告発する)ならば、基準局としては、違法に他人の就業に介入して利益を得ているとして労基法(中間搾取)で送検もします。しかし、安定行政がこれを違法として摘発せず放置されるなら、基準局としては適法なものと推定せざるを得ないので、中間搾取で摘発することはできません。なおこのまま適法か違法かを明確にしないで放置されると行政の権威が失われます。労働基準局的な感覚では耐えられません。実態がこれ以上進まないうちに早く、適法か、違法か、あるいは第三の道、立法的解決を図るか、早く決めるべきだと思います」

職業安定局長は、私のこの生意気な意見に怒ることなく、黙って聞いておられたが、最後に「係長、君の意見は正しい。業務指導課長、労供に関する国会答弁は職業安定局で作成しなさい」

この意気軒昂な監督課法規係長が、秋田県職業安定課長、労政局労政課補佐を経て戻ってきたのが因縁の職業安定局業務指導課。岡山さんの担当は障害者雇用率の義務化と納付金制度という難題でしたが、たっぷり書かれているその話題はここではスルーして、因縁の労働者供給事業です。

・・・つまり私は今、当時批判した相手の業務指導課の課長補佐に就任したことになった。あれから4年経っているが、事態はあまり変わっていなかった。ああ言った手前、私はこの問題に取り組まざるを得ないと覚悟を決めた。

で、いろいろと検討した結果、

・・・それにはまず学識経験者による研究会が必要と考え、来年度(昭和52年度)の新政策として「労働力需給システム研究会」設置の予算要求をすることとした。私が予算要求局議でその案を説明したところ、、局長は、私の方を見て「労供をやるか」といって了承された。

ところが、その後岡山さんは労働基準局賃金福祉部に異動になり、この問題から離れてしまったとのことです。

派遣法の前史のそのまた前史のあたるような時代ですが、消極的権限争いの姿など、いかにもというかんじがします。

後半は現下の政策課題に対する提言です。派遣労働、有期雇用、そして長時間労働について、いずれも確かに「役人とは思えぬ思い切った提言」をしています。とはいえ、立場上言いにくいだけで、同じようなことを考えている現役やOB,OGは結構いるのではないかとも思いますが。

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