教育クライシス@『現代思想』2015年4月号
今野さんがTwitterでつぶやいていたので、『現代思想』2015年4月号を入手。特集は「教育クライシス」ですが、中心はブラックバイト問題で、労働問題の視点からも大変興味深い特集記事が多く掲載されています。
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791712991
【討議】
ブラックバイトから考える教育の現在 / 大内裕和+今野晴貴【壊される若者たち】
学校現場への実践的な労働法教育の導入は可能か / 上西充子
若者労働の現状と、労働教育の模索 / 川村雅則【貧困と孤立】
難民化する子どもたち 声をかけるのは誰か / 仁藤夢乃
貧困と孤立のスパイラルを断ち切る / 中西新太郎
次世代への提言 / 佐々木賢【追い詰められる学校】
「貧しさに負けた……いえ、世間・格差に負けた……??」 そろそろ学校も教育も、足もとから崩れてきているかも / 岡崎勝
不寛容の学校 / 赤田圭亮【インタビュー】
「教育再生」を問い直す / 藤田英典 大内裕和(聞き手)【誰のための「教育再生」か】
安倍政権の教育改革とは何か 教育再生実行政策の目的、手法、そして問題の所在 / 髙橋哲
道徳教科化と国民国家をめぐる政治学 いずれのシナリオを選ぶのか / 松下良平
「グローバル人材育成」論を超え、協同と共生の外国語教育へ / 江利川春雄
まち、子ども、学校、そして、そこに働く人々 教育行財政からみる現在と明日 / 中村文夫【危機を超えるアイディア】
「教育病」としての暴力 運動部活動における「体罰」を考える / 内田良
貧困の連鎖と向き合う高校教育 関係性をつむぐ〈多元的生成モデル〉の可能性 / 菊地栄治
社会科討論授業の可能性についての断章 「シティズンシップ教育」へのヒント / 和田悠
読みでがあるのは、やっぱり冒頭の今野・大内対談でしょう。どの一節も重要なことが語られており、テキストにしてもいいくらいですが、やや野次馬的に面白かったのは、大内さんがブラックバイトを言い出した頃、今野さんは「ブラック企業問題の焦点を曇らせ、言説を曖昧化するのではないかと危惧していた」というエピソードです。
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