就活は社会映す鏡 日本的「働き方」再考を@日経新聞
本日の日経新聞の読書欄、「今を読み解く」で、法政の児美川孝一郎さんが標題のような文章で、4冊の本を紹介しています。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO84095070X00C15A3MZA000/
経団連が新たに定めた指針では、今年の大学3年生から採用活動の時期が繰り下げられた。この3月には会社説明会が解禁となり、面接等の採用選考の解禁は8月である。
本来ならまだ蓋を開けたばかりのはずだが、今年の就活戦線にはすでに不穏なムードが漂っている。新ルールなどどこ吹く風で、インターンシップ等で学生と接触し、水面下で選考を開始する企業が後を絶たなかったからだ・・・・・
難波功士『「就活」の社会史』(祥伝社新書)
常見陽平『「就活」と日本社会』(NHK出版)
濱口桂一郎『若者と労働』(中公新書ラクレ)
海老原嗣生『日本で働くのは本当に損なのか』(PHPビジネス新書)
です。
・・・それにしても、就活はなぜ過熱するのか。それは、学生が新卒就職を経て、何とか日本的雇用の世界に入り込むことを目指すからである。・・・
と紹介され、さらに、後の海老原本につなぐ部分では、
・・・著者ははっきりとは書かないが、問題意識の背景にあるのは、誰もがメンバーシップ型(のエリート)となることを夢見る日本的な働き方の「異様さ」への醒めた感覚であろう。同様の感覚は、海老原・・・にも嗅ぎとることができる。・・・
と、(常見本にも共有される)感覚を指摘されています。
・・・見てきたような意味で、就活とは、見事なまでに私たちの社会のありようを映し出してくれる鏡である。そこに映る複雑な糸のもつれを、いかに解きほぐしていくのかが問われている。
とまとめています。
就活問題というと、つまらない本も山のようにありますが、きちんと本筋を摘出しているとてもいいレビューだと思います
(追記)
ちなみに、amazonブックレビューにも拙著の新たな書評が載っていました。
若者の就職をめぐる見取り図として稀有な本,
2015/3/8 投稿者Amazonで購入(詳細)レビュー対象商品: 若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす 中公新書ラクレ (Kindle版)作者の濱口桂一郎さんの主張についてはブログでよく知っていましたが、著作が念願のKindle化となり即購入。
若者の就職活動については多数のマニュアル本も出版され、また就職活動の過酷さなどがマスコミでも大きく取り上げられる昨今ですが、その全体をつらぬく仕組みをここまで明確に書かれた本は今までなかったのではないでしょうか。
「大学で学んだ知識は仕事には何の役にも立たない」「求められているのは具体的なスキルではない」「必要なのはコミュニケーション力」等、どれもほとんど人が知っている、または思っていることでしょう。
しかしながら、「『なぜ』そうなっているのか」を理解している人は少ないのではないでしょうか。
本書では、海外と比較しつつ、歴史的な経緯をたどりながら、その「なぜ」を解き明かしてくれます。
就職活動のテクニックを身につける前に、なぜそのようなテクニックが有効なのかと理解するためにも、読むべき一冊と言えるでしょう。
また、採用する側にとっても、採用活動において何を重視するべきなのかを改めて考える契機になる一冊ではないでしょうか。
最後に、濱口桂一郎さんの他の著作のKindle化を祈念してレビューをしめくくりたいと思います。
« ある公職に就くことが決まった方の近著 | トップページ | 10,000,000アクセス突破 »




コメント