連合は邪魔をしてくれるな
昨日紹介した『労働法律旬報』1月合併号には、先日連合総研副所長を退任された龍井葉二さんが、これまた大変興味深い文章を書かれています。「労働時間短縮はなぜ進まないのか?」というこの文章の冒頭に、こういうやりとりが再現されています。
もう10年近くも前になるが、連合本部で労働条件局を担当していたときの話である。連合としての時短推進計画を見直すことになり、時間外労働の上限規制が論点になった。われわれ事務局としては、上限規制を強化する方針で臨んだのだが、いくつかの産別から猛反対を食らった。この推進計画はガイドライン的なものであり、もともと縛りの強いものではなかったのに、である。
われわれは産別本部にまで足を運んで説得に当たったが、頑として聞いてくれない。日本における時間外労働の労使協定時間が異様に長いことは、当時から指摘されていたことであったが、連合がその邪魔をしてくれるな、というのが本音だったと思う。
労政審での議論だけ聞いていると、あたかも労働側が長時間労働の規制を主張し、経営側がそれに反発しているように見えますが、いやそれはそれで確かに一つの真実ですが、その薄皮一枚めくった裏側には、労働側自身が長時間労働規制に猛反発する「本音」が透けて見えてくるのもまた事実なのです。
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まあ、それはそうですよね。多くのおじさん達にとって、職場ほど居心地が良いところはありませんから。毎日、18時に自宅に帰っていったい何をしろと。もちろん私もそうでした。
加えて、毎日夜遅くまで(たとえ残業代がつかなくも)家族のために頑張っていることで、自分の存在価値を示すことができ、自尊心も満たされる。良いことだらけです。
この、家に帰りたくないおじさんが長時間労働というか長時間職場滞在することで日本がうまくいっていたことも事実です。
職場だけでなく、家庭や家族の問題も含めて考える必要があるんでしょうが、私にはどうすべきか皆目見当もつきません。
投稿: 人事部OB | 2015年2月 6日 (金) 09時15分