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2015年2月27日 (金)

日々紹介ビジネスモデルの崩壊

ピョンヤンじゃない『労働新聞』という、あまり関係者以外が読まないメディアの報道なので、知らない方も多いと思いますが、日本の業界紙の『労働新聞』3月2日号に、大変興味深い判決が紹介されています。

初判決 「日々紹介と認めず」

栃木県内でホテルを経営する(株)ホテルサンバレーが、大手優良職業紹介会社の宝木スタッフサービスに対し、配膳人である常用従業員は期間の定めがなく、「日々雇用ではない」として約3000万円の不当な紹介手数料の返還を求めた裁判で、宇都宮地方裁判所大田原支部は、原告の主張を全面的に認める判決を下した。同裁判所は毎月のシフト表に基づいて働いていたことなどから、「日々あっせんの事実があったとは言えない」と示している。日々紹介に関する大規模な争いでは裁判所の初判断となる。

これは、私の本を読んでいる方には「あぁ、あれか」とぴんとくると思います。

戦前は労務供給事業として行われていたいくつものビジネスが、港湾や建設などで弊害が目立っていた労働ボスの撲滅のために、戦後職業安定法で(労働組合を除いて)全面的に禁止されたため、弊害の少ない家政婦とかウェイターとかマネキンとかを認めるための便法として、これは有料職業紹介なんですよ、毎日紹介して、毎日その紹介手数料をもらっているんですよ、という建前でもって70年近くやってきたわけです。

その後、禁止されていた労働者供給事業が労働者派遣法という形で認められ、別に日々紹介などと虚構をいわなくても、派遣している間派遣料金と賃金のマージンを取るビジネスモデルもできるようになったのですが、既に確立していた日々紹介というビジネスモデルは、俺たちは派遣じゃないという建て前を崩すことなく、ずっと続いていたんですね。

でも、それがついに崩壊する日が来たようです。

解雇法制で有名なヒルトン事件だって、日々紹介なのに無期雇用労働者の解雇問題として取り上げられていて、誰もそっちに疑問を呈さないという奇妙な平和が続いていたんですが、ものごとをきちんと考える人なら、おかしいな、と思うはずだったんです。

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拙著『新しい労働社会』の73頁以下にその経緯がやや詳しく書かれていますので、ご参考までに。

臨時日雇い型有料職業紹介事業

 もう一つ、実態として極めて登録型派遣事業に近いのが、家政婦、マネキン、配膳人といった臨時日雇い型の有料職業紹介事業です。これらにおいても、求職者は有料職業紹介所に登録し、臨時日雇い的に求人があるつど就労し、終わるとまた登録状態に戻って、次の紹介を待ちます。ところが、こちらは職業紹介という法的構成を取っているため、就労のつど紹介先が雇い入れてフルに使用者になります。実態が登録型派遣事業と同様であるのに、法的構成は全く逆の方向を向いているのです。これは、占領下の政策に原因があります。
 もともと、これらの職種は戦前は労務供給事業で行われていました。ただし、港湾荷役や建設作業のような労働ボス支配ではなく、同職組合的な性格が強かったと思われます。ところが、これらも職業安定法の労働者供給事業全面禁止のあおりを受けて、弊害はないにもかかわらず禁止されてしまいました。一部には、労務供給業者が労働組合になって供給事業を行うケースもありました(看護婦の労働組合の労働者供給事業など)が、労働組合でなくてもこの事業を認めるために、逆に職業紹介事業という法的仮構をとったのです。
 しかしながら、これも事業の実態に必ずしもそぐわない法的構成を押しつけたという点では、登録型派遣事業と似たところがあります。最近の浜野マネキン紹介所事件(東京地裁2008年9月9日)に見られるように、「紹介所」といいながら、紹介所がマネキンを雇用して店舗に派遣したというケースも見られます。マネキンの紹介もマネキンの派遣も、法律構成上はまったく異なるものでありながら、社会的実態としては何ら変わりがないのです。その社会的実態とは労働者供給事業に他なりません。・・・

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コメント

ヒルトン事件では、私たち原告代理人が日々紹介の事実は全くないから日々雇用ではなく無期雇用だといくら主張しても、東京地裁も東京高裁も日々雇用と認定してしまいましたが、時代が進んだのか、それとも東京ではなく地方の裁判所だから事実に基づくまっとうな判断をしたのか。いずれにせよホテル業界に与える影響は大きいですね。 

おそらく、事案が労働者からの解雇無効の訴えではなく、紹介先事業主から紹介所に対する訴えであったため、実態が期間の定めがない雇用だというという使用者の主張が反証なくそのまま通ったからなのでしょうね。

とはいえ、この手の日々紹介と称するビジネスの実態を、紹介先事業主が無期雇用だと主張してそれが通ったわけですから、今後同様のビジネスモデルで雇用契約が日々か無期かが問題になったときには、重要な洗礼になることは間違いないでしょう。

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