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2015年2月 3日 (火)

労弁佐々木亮独演会@規制改革会議

規制改革会議雇用WGの12月17日の議事録がアップされました。この日は労働弁護団の佐々木亮さん一人がゲストスピーカーで、ほとんど佐々木さんの独演会状態です。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/koyo/141217/gijiroku1217.pdf

いろんなテーマが論じられていますが、私も本ブログで佐々木さんたちの著書についてコメントしたのと同じことについて、鶴さんが聞いています。

○鶴座長 すみません、1点だけ。今のお話の中で、佐々木さんの御著書の中でもちょっと出てくるのですけれども、労働者の中には金銭解決をしても和解をしてもいいと思っていても、余りその戦略だと、最初からそれを出すと、余り得るものを得られなくなりますよと、アドバイスとして、地位確認を求められる方が良いし、それでやるとバックペイということもあってということで、それをある意味では推奨される場合もあるというお話、また、解雇はもう取消しということになったとしても、それに安易に乗っては駄目なのですよというようなお話も、若干、御著書の中にもそういういろんなケースがあるというお話を書いていらっしゃって、本人が割と金銭的な解決で良いと思っていても、最後もそこに行くのかもしれないのだけれども、今の体系の中でそのようにした方が良いですよということ、それで得るものが大きいということであれば、そちらの方へ少しバイアスがかかっているとすれば、今の制度というのが本来の意味で良い制度なのかなということを、そういうお話を聞くと、どうしても我々はこれで大丈夫なのかなということを思う場合もありまして、ちょっとその点についてはどのようにお考えなのかお教えください。

○佐々木弁護士 そういったケースは、判決が出るとかそういうところではなく、裁判中若しくは紛争が勃発した直後ぐらいに、労働者として金銭解決してもらえればそれで良いという意思を持っているけれども、その労働者的には金額の高い金銭を得ないと納得できないという場合に起こることなのです。
確かに、今、我が国の制度では、解雇されたから金銭請求するというのは、理屈上は損害賠償請求しかないのです。これは解雇自体を不法行為と捉えてやることになりますので、単に解雇無効というだけではなくて、解雇無効に加えて違法性まで必要になるということになります。こういった解雇はそんなにないのです。
要するに、労働契約を単に解約しているという行為にすぎませんので、これが違法性を帯びるというのは、例えば、労働組合員だからとか、差別的な意識とか、若しくは侮蔑的な形で辞めさせるとかということになると、裁判所でも損害賠償請求を認めていますけれども、そのときの水準というのは慰謝料としては数十万円とかそういうレベルなのです。そうなってくると、労働者の考えからすれば、戻るか戻らないかというところについてはまだ選択は先にできるということを考えると、一旦地位確認請求という形を取ることになります。そして、その会社に戻るということであると、労働契約が存在している限り、賃金請求権が生じる構造があるので、弁護士としてはどちらが請求権として立ちやすいか、どちらが立証しやすいか、そして、どちらが経済的利益が高くなるかということを考え、本人は金銭解決だと言っていたとしても、そのメニューは後で選択できますということで、当面は地位確認請求をするということになると思います。

結構機微に触れる話もあったりして、じっくり読む値打ちのある議事録です。

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