« 労働と「思想」 | トップページ | 長時間労働と限定契約@今野晴貴 »

クローニー・キャピタリズムと労働者の「仕分け」

どういう組み合わせかと頭をひねる人もいるかもしれませんが、いや別に内在的な論理的連関はないのですよ。

ある事象を指す用語が、あまりにも悪意に満ちていて、対象を罵倒するためにわざとその言葉を使っているんだろうと思われる現象が、たまたま取った形態であります。

ていうてもなんのことやらですね。本日の労務屋さんのブログに、先日慶応で開かれた『新時代の「日本的経営」』20年シンポジウムについての詳しい感想を書かれているのですが、そこから噴出して別エントリとなった「高木朋代敬愛大教授にひとことふたこと。」という文章が、今まで見たこともない労務屋さんの「怒り」を感じさせるものになっていまして、それを読み進むにつれて、

「これって、労務屋さんにとっての「クローニー・キャピタリズム」だったんだなあ」

と深く感じた次第です。というか、読み進んでいくと、労務屋さん自身が下の注釈でクローニー騒ぎに言及されているのですけど。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20150202#p2

誰に受けることを目論んでいるのか知らないが雇用ポートフォリオを「「労働者の仕分け」システム」と称し、あるいは労使間の合意形成について「すりかえ合意」といった悪意のある用語を用いていることだ。これはおよそ(元)人事担当者の神経を逆なでするものだが、そうした感情的な問題を排してもおよそ不適切と言わざるを得ない。

まず「「労働者の仕分け」システム」については、「仕分け」という用語は専門用語として確立されておらず*1、であれば定義が与えられていない以上通俗的な意味、すなわち民主党政権における「事業仕分け」のアナロジーであると考えていいだろう。

まあ、単純に日本語で仕分けといえば、別にそういう意味とは限らない、といういいわけも可能でしょうけど、やはり、あのジョブカードやら未払い賃金立て替え払いを無造作に仕分けられた経験を共有している労働関係者としては、自ずからそういうインプリケーションを感じるのは宜なる佳奈でしょうね。

とくれば、本ブログの読者諸氏にとっては、例の駒崎さんをめぐる騒ぎの時の、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-9c68.html(やっぱりこいつらは「りふれは」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-97a1.html(ステークホルダー民主主義とクローニー資本主義)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-fe0a.html(「りふれは」稲葉振一郎氏に擁護の余地はあるか?)

に対して、この「労働者の仕分け」に怒りを隠せない労務屋さんが、

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20141110#p2(「りふれは」の話)

hamachan先生には「クローニーキャピタリズム」という語は「低劣な」「下司下郎」と同等程度の罵倒表現であるというご事情があるようです

と、あんまり罵倒語だと感じておられない様子であったことを思い出されるのではないかと。

|

« 労働と「思想」 | トップページ | 長時間労働と限定契約@今野晴貴 »

コメント

ごぶさたしております。TBありがとうございました。
理詰めで書いたつもりなのですが、虚心に読むとたしかに行間からにじみ出るというか噴出するものはありますね(笑)。
用語に関する感覚の違いについては、まったくご指摘のとおりと思います。またそれにもかかわらず私は高木先生の主要な結論については同意しておりますので、過去からの一貫性は確保していると思います。いや結論には同感だから余計残念に思ったわけでして。
たいへん失礼ながらこの場をお借りして自分のブログでダイレクトに書けなかったことを書かせていただきますと、用語に関しては高木先生は単に大変に無神経なだけだということではないかと思っています。そうでなければ(ご自身も労働関係者なのに)福岡道生氏、成瀬健生氏ほか旧日経連のお歴々が居並ぶ前で「あなたがたの作ったものは労働者の仕分けシステムです」と言い放つことはできないでしょう。
ただそれは学問とは関係ないと言われればそのとおりではあり、学問的にという意味では私が後半のほうで指摘した、問題提起がご自身の関心分野ばかりに引き付けられて歪んでいることのほうが問題といえるでしょう。

投稿: 保守おやじ | 2015年2月 3日 (火) 18時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クローニー・キャピタリズムと労働者の「仕分け」:

« 労働と「思想」 | トップページ | 長時間労働と限定契約@今野晴貴 »