厚生労働省は、労働組合を排除したいのですか?
上西充子さんが、「厚生労働省は労働法啓発冊子で労働組合の説明を削除!」したと、かなり怒りを示しておられます。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/uenishimitsuko/20150212-00042968/
厚生労働省が昨年末に開設した総合情報サイト「確かめよう労働条件」で提供している冊子には、労働組合の役割に関する説明がない。厚生労働省は労働組合の意義を認めないのか?
上西さんが指摘するのは、2010年に厚労省労働政策担当参事官室が作った『知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~』と、昨年末に厚労省労働基準局監督課が作った『知っておきたい働くときのルールについて』で、かなりの中身が落とされているということなんですが、
確かに、赤字の部分が、労働政策担当参事官室が作った冊子にはあるのに、労働基準局監督課が作った冊子には入っていません。
これを捉えて、上西さんは、
「厚生労働省は、労働組合を排除したいのですか?」
と詰問されるのですが、いやこの目次の対照表を見ると、落とされているのは、外にも男女平等関係とか、失業給付や職業訓練とか、新卒の就職とか、つまり、労働基準局監督課が、労働基準監督官の監督指導という形で権限を行使できる分野じゃない領域すべてのように見えます。
日本の労働基準監督官は、労働組合にかかわる問題については一切権限を持っていませんので、監督課の作った冊子には載っていない、というだけのように見えるのですが、これで「厚生労働省は、労働組合を排除したいのですか?」と詰問されては、なかなかしんどいのではないか、と。
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