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2015年2月 3日 (火)

長時間労働と限定契約@今野晴貴

Show_image『労働法律旬報』1月合併号が労働時間規制を特集しています。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/967?osCsid=kl9vc9oln26dnba2jsifp3mv31

[特集]労働時間規制を考える―なぜ労働時間規制は必要なのか?・・・06
労働時間の思想と時間法制改革=西谷 敏・・・08
人間的な労働時間を求めて―柔軟化の国際的動向と日本=田端博邦・・・20
長時間労働を生みだす要因を考える=深谷信夫・・・34
労働時間の制限・短縮と人たるに値する生活=森岡孝二・・・42
長時間労働と日本の法規制そして社会構造―労働者意識から考える=豊川義明・・・48
民主主義をささえるための労働時間規制=鴨田哲郎・・・56
労働時間規制と過労死=川人 博+笠置裕亮・・・61
長時間労働問題と労働条件明確化の課題=今野晴貴・・・65
労働時間短縮はなぜ進まないのか?―労働組合運動の視点から=龍井葉二・・・70
長時間労働とILO条約―ディーセントワークを求めて=中嶋 滋・・・75

この中で、読まれるべきはPOSSE今野晴貴さんの「長時間労働問題と労働条件明確化の課題」でしょう。長時間労働に対する4つの規制方法として、1:実定法の制定による労働時間の上限設定、2:労働契約の評価・解釈の変更、3:企業内労使交渉・労使慣行による制限、4:労働契約の具体的記述による制限(限定契約)を挙げ、

この論文ではとりわけ4の限定契約による長時間労働規制の有効性について論じています。

限定正社員というと、打てば響くように「解雇しやすい」という形容詞をつけたがる人々が多い中で、これを労働市場規制につなげていく必要性をきちんと説いています。出色の論考と言えましょう。

・・・近年、労働市場における労働条件決定は、労働規制の意義を相対化する文脈(いわゆる「強い労働者」像)で用いられてきたために、無条件に労働条件を低下させるかのような誤った認識が広がってきたように思う。

むしろ現在の日本の労働者には、労働市場に於ける労働条件の選択や決定の契機は極めて乏しく、これが青天井の労働要求を受け入れる大きな要因になっている。労働契約内容の明確化など、労働市場を介した適切な労働条件決定を実現する意義を、新たな角度から検討しなおすべきではなかろうか。

この問題意識を労使関係論一般につなげていえば、本来労働市場における対峙するアクターとして、労働給付とその対価としての金銭給付を市場で交渉するメカニズムであったはずの「労使関係」が、戦後日本ではあたかも一個の組織集団内部の人間関係調整メカニズムであるかのようになってしまったために、労働給付の量が市場で交渉されるべきものという労使関係論本来の認識が逆に異様なものに見えるようになってしまっているという状況が現れているのでしょう。


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