『ジュリスト』に黒の報告書・・・
『ジュリスト』2月号は、左の表紙のように「パートタイム労働法改正――その評価と実務への影響」が特集です。
http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/019263
◇特集の趣旨●岩村正彦……12
◇改正パートタイム労働法のあらまし●厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課……14
◇公正な待遇の確保●櫻庭涼子……22
◇2014年改正パートタイム労働法が労働市場に与える影響●権丈英子……29
◇改正パートタイム労働法と企業の人材活用の課題●佐藤博樹……37
◇パートタイム労働法改正を受けて――働く者の立場から●日本労働組合総連合会……42
◇パートタイム労働法改正を受けて――使用者の立場から●日本経済団体連合会……45
なので、まず何よりもその内容をご紹介すべきは重々承知なれど、いやいや、天下の名門『ジュリスト』にこれが載りましたか、という黒の報告書さながらのアモーレミステリー(?)が載っていますので、これはやはりこれを一番に・・・。
それはいうまでもなく、「労働法なう」シリーズの
大学教授の辞めさせ方●大内伸哉……56
です。
頭が重い。昨日は飲み過ぎたようだ。最後はどこで呑んでいただろうか。4軒目までは覚えているが、、その途中から記憶が無い。日本酒とワインをちゃんぽんで飲むとこうなる。ところで、ここはどこだ。俺のベッドじゃ無いぞ。「おい、君は誰だ?」「あら、お忘れになったの。センセがしつこく誘ったのよ」自分の横にいた女が、けだるそうに言った。若い女だ。部屋を見渡すと、俺の服と女性用の服が絡み合うようにして落ちていた。背筋に冷たいものが走った。・・・
著名な経済学者西田が理事長として進める住吉学院大学の再建に不当労働行為を申し立てて抵抗する組合の中心はロースクールの田原教授。西田は田原をクビにするべく陰謀を練り始め・・・・・、
西田理事長は、小野専務から第3の方法を聞いてニヤッとした。
「君も相当ワルだね」
「そのお言葉は、心外です。すべては学院を思ってのことです」
「これだと、田原を懲戒解雇にできると云うことだね」
・・・・
「でも、この方法だと協力者がいるのではないか」
「ご心配なく。教員の中に、私と通じている者がいるので」
田原教授に視線を戻すと、
・・・田原の記憶が、少しずつ戻ってきた。4軒目は、同僚の橋本徹也教授に誘われていったキャバクラだった。このルミという子が、盛んにシャンパンをついでくれて、自分に寄りかかってきていた状況が断片的ながら蘇ってきた。確か、どこかの女子大の学生だと云っていたような気がする。橋本先生は、あの後、どこに行ったのだろうか。・・・
そして後日談は、
「今度、理事になるんだ」と、突然、橋本は妻の由紀恵に云った。・・・「あなたのような三流教授が、どうして理事になれたの」「大学のために貢献したからね」。もちろん、妻の姪を利用したなどとは口が裂けても言えない。「今度の日曜は、駅の近くにある、ミシュランで星を取ったフレンチにいこう。留美ちゃんも誘って」というと、妻はニコリとした。久しく見ていない笑顔だ。・・・・
労働法の研究の合間に精力的に読まれているさまざまなミステリ小説の香りがただよってきます。
え?労働法学的には何の話だって?
それを知りたければちゃんと『ジュリスト』を読んでください。
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