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渡辺輝人『ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?』

139342渡辺輝人さんの『ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?』(旬報社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

オビで今野晴貴さんが推薦してますな。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/963?osCsid=7p959bt693n16v1s3jh1pbmv45

著者が「はじめに」でこの本の趣旨をこう説明しています。

 この本の目的は、まず、日々アルバイトに従事し、または就職活動中の学生さんや求職中の人、そして現に労働者として働いている人たちに対して、残業代の法律的な意味、社会的な役割、現在の状況をなるべく平易に説明することにあります。そういう意味で、本書は一般向け法律書です。
 そのうえで、これらの人たちが、企業の求人広告や毎年発行される『会社四季報』(東洋経済新報社)に記載されたデータ、自分の会社の就業規則や給与明細などを元に、残業代を軸として、その企業の労働条件を分析する方法を説明することも本書の目的です。わが国の企業では月給制が広く採用されていますが、月給制の残業代の計算方法は非常に複雑です。しかし、求人広告や『会社四季報』に掲載されたデータを使用すると、かなりの程度、残業代に関する分析が可能です。それはその企業の労働時間や労働日数などの他の労働条件を知ることにもなります。また、ブラック企業は、法律を悪用・脱法する場合が多いので、法律的な分析を通して、その企業がブラック企業かどうかも一定、判断することができます。本書を読めば、ワタミの新卒賃金のカラクリも理解できるでしょう。そういう意味では、本書は労働者の立場からの企業分析の本であり、一種のブラック企業対策本でもあります。
 そして、最後に、本書は、労働者が自分の身を守り、残業代を請求するための方法を解説することも目的としています。そういう意味で、この本は労働者が権利行使をするための実践本でもあります。
 したがって、この本の性格を一言で表すなら「残業代を軸に会社と社会を分析し、権利行使するための本」ということになります。

最後の「第7章 未払い残業代の請求」で、弁護士への相談を勧め、司法書士やとりわけ社会保険労務士の利用に否定的な記述をしている点については、人によってはいろいろと意見のあるところかもしれません。


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コメント

まだ実物を見ていませんが、第7章は気になります。ネットで見たら「政府刊行物」なんですね。それなのにそういうふうに書かれるのはどうなんだろう。

投稿: 40代女性 | 2014年12月29日 (月) 15時28分

???
旬報社という民間企業の出版物です。
いかなる意味でも政府刊行物ではないですよ。

投稿: hamachan | 2014年12月30日 (火) 00時05分

すみません。政府刊行物のサイト http://www.gov-book.or.jp/ に載っているので、何か特別なのかなと思ったわけです。関連本として扱っているのでしょうか。

投稿: 40代女性 | 2014年12月30日 (火) 15時38分

政府刊行物ではなく、「おすすめの書籍」というコーナーですね。

ピケちゃんの『21世紀の資本』もおすすめしているようですが、こちらもいかなる意味でも政府刊行物ではないはずです。

さすがに便乗本はおすすめしていないようですが。

投稿: hamachan | 2014年12月30日 (火) 16時26分

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