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2014年12月19日 (金)

長時間勤務、是正が必須@北海道新聞

だいぶ時間が経ちましたが、先月末(11月30日)に北海道新聞にインタビュー記事が載っていました。

http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/2014shuin_hyouron/250587.html6.【労働法制】長時間勤務、是正が必須

20141130 今年6月に安倍晋三政権が閣議決定した新たな成長戦略では、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離す「時間ではなく成果で評価される働き方」の導入が打ち出された。まるで新たな成果主義のように聞こえるが、現行の労働法制でも基本的に実現可能なものだ。

 労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えて働かせてはいけないと使用者に命じているものの、労働時間に比例して賃金を払うことを義務付けてはいない。1日2時間働いて成果を出す人に月50万円を払い、1日8時間かかる人には月20万円しか払わないのは全くの自由。朝9時から夕方5時までを勤務時間と定めているのは社内の就業規則であって、労働法制とは別のカテゴリーといえる。

 ただし、法定労働時間を超えて働かせる場合だけは、使用者には時間に応じて所定賃金を割り増しする残業代の支払い義務が生じ、時間と賃金が比例する形になっている。新たな成長戦略が目指す「成果で評価される働き方」とは、実は残業代という賃金規制を緩和することにほかならない。

 規制改革派は、これを労働時間の規制緩和と主張するが、全くの誤りだ。日本では労使協定さえあれば無制限の時間外や休日労働が許されており、そもそも法律上の労働時間は、上限がない緩い状態だ。代わりに、本来あってはならない時間外労働をさせることへの罰金的な意味をもつ残業代が、長時間労働を抑制する役割を果たしている。

 新たな成長戦略には労働時間の上限規制は明記されていない。残業代を払いたくないのが使用者側の本音だろうが、残業代という長時間労働の間接規制をなくすなら、それと引き換えにドイツなどのように労働時間の上限を直接規制する仕組みを導入するのが筋。いいとこ取りは許されない。

 来年の通常国会への関連法案提出に向けて、厚生労働省の労働政策審議会で法案の方向性が議論されている。新たな成長戦略では対象は年収1千万円以上で、職務範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者としているが、労働時間の上限が加えられるかどうかも含めて、どう定義するのか法案の具体的な内容を注視する必要がある。これとは別の健康確保策として、勤務終了後から次の勤務開始まで、一定の休息時間をとらせる勤務間インターバル規制の法整備についても議論が求められるだろう。

 ただ、長時間労働が前提ではない働き方をつくるには、労働時間を規制するだけでは不十分だ。諸悪の根源は、みんなが極限まで働くことが正社員にとって暗黙の標準ルールになっていることにある。従来の無制限に働く正社員中心の雇用制度を改める必要があるが、それ以外の働き方を格下扱いする意識も障害となっている。

 「多様な正社員」を認め、職務や勤務地などを限定するほかに、時間限定の正社員の導入も不可欠だ。出産や育児を担う女性の多くは長時間労働に付き合えない。女性が活躍できる社会の実現は、長時間労働を是正しない限り難しい。(聞き手・宇佐美裕次)

 

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