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所得格差は経済成長を損なう@OECD

OECDが去る12月9日に「Trends in Income Inequality and its Impact on Economic Growth」というワーキングペーパーを公表しています。

全文がこちらからダウンロードして読めますが、

http://www.oecd-ilibrary.org/social-issues-migration-health/trends-in-income-inequality-and-its-impact-on-economic-growth_5jxrjncwxv6j-en

簡単な要約がこちらにあり、

http://www.oecd.org/els/soc/Focus-Inequality-and-Growth-2014.pdf

その日本語版がこちらで読めますので、年の瀬のお忙しい皆さんはこちらでどうぞ。

http://www.oecd.org/els/soc/Focus-Inequality-and-Growth-JPN-2014.pdf

所得格差は経済成長を損なうか?

蔓延している所得格差の拡大が社会・経済に及ぼす潜在的な悪影響が懸念されている。最新のOECD 調査によると、所得格差が拡大すると、経済成長は低下する。その理由のひとつは、貧困層ほど教育への投資が落ちることにある。格差問題に取り組めば、社会を公平化し、経済を強固にすることができる。

Inequality

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コメント

先日のブログ記事で、クルーグマンは、
I’m actually a skeptic on the inequality-is-bad-for-performance proposition — not hard line against it, but worried that the evidence for some popular stories is weaker than I’d like. It’s important to realize that even the absence of a relationship is a big change from conventional wisdom; but how much do we really know for the opposite case?
http://krugman.blogs.nytimes.com/2014/12/02/inequality-and-economic-performance/?_r=0

と、格差が経済成長を損なうかについて、確信を持つに
は至ってないと言っていることを指摘しておきます。

投稿: hiro | 2014年12月14日 (日) 15時53分

紛らわしくて申し訳ないのですが、同一のハンドル名Hiroでコメントさせてもらいます。

クルーグマンの記事、全体を見ないとわかりませんが、“格差が経済成長によろしくない”という説に懐疑的であると述べているようです。

“格差が経済成長によろしくない”という説を無条件にサポートする人はいないでしょう。誰もがすべて平等(結果としての平等)などはあり得ないと思っているし、格差を容認するからこそ経済成長もあるはずです。

市場原理があって経済成長はあるのであって、結果として格差は発生するでしょう。しかし、市場原理だけに任せてよいかというと話は別です。そこに、所得の再分配なり市場競争のルールなり、何らかの社会政策が必要になるはずです。

経済成長という点だけをとっても、消費性向が高い低所得者の所得を厚くすることが重要なはずです。OECDのレポートは大半のOECD諸国で所得格差が広がり経済成長が低下しているとしています。金持ちだけに所得が集中して、お金のスムーズな循環が削がれると考えると経済成長にも影響することになります。

2000年代以降、先進諸国において潜在成長率が趨勢的に低下していますが、筆者は所得格差が潜在成長率の低下と無縁ではないのではないかと思います。グローバル化による国際競争が、資本の集中を要求し、結果として格差を助長しているのではないかと考えています。

投稿: hiro | 2014年12月14日 (日) 23時42分

所得格差、つまり中間層の没落と貧困・低所得層の拡大が経済成長を阻害することは理論以前の常識でしょう。問題は逆の因果関係の方にあるのです。つまり実体経済が成長の限界に至り、経済「成長」が専ら金融部門の肥大化に依存するようになったため、必然的に格差が拡大しているということです。いまや低成長の僅かばかりの拡大分は資本の営業余剰に持っていかれ、実体経済の現状維持のための資本減耗分は雇用者報酬の減少で賄うという構造です。やっぱり資本主義はいまや死本主義化しているので、市場経済の第3ステージに向けてパラダイムシフトすべきときでしょう。DIO1月号はその辺を特集します。ピケティの改革案は不平等を資本主義の枠組みの中で受容可能な程度に抑制するものとの批判もありますが、あれとて本気で実現しようとすれば、いまのパラダイムでは無理でしょう。

投稿: Hayachan | 2014年12月18日 (木) 08時21分

クルーグマンの最新コラムより
So I’m fairly optimistic about 2015, and probably beyond, as long as we avoid any more self-inflicted damage
http://www.nytimes.com/2014/12/29/opinion/paul-krugman-the-obama-recovery.html

朝一番でクルーグマンのブログやコラムをチェックするのを日課とする私にとって、米国経済についてこれほどまでの楽観的なコメントを目にするのは初めてです。

世界に冠たる格差国家であるアメリカが世界の成長を先導するのは、まさに格差と経済成長は無関係ということを傍証する、とまではクルーグマンは言ってませんが、
一番上のコメントに貼ったリンク先のスライド(PDFファイル)が示す通り、格差が成長を阻害する証拠は見い出せない、というクルーグマンの主張を補強するものでしょう。
(このスライドのひとつは、格差レス国家スウェーデンと米国のパフォーマンスを比較したものです。)

格差是正は社会正義として追求すべきもので、論理的にも実証的にも根拠が怪しい経済成長(の阻害)に依拠すべきではないものと考えます。仮に(あくまで仮に)格差拡大は経済成長にとってプラスだとしても、格差是正に正義はあると思います。

投稿: hiro | 2014年12月30日 (火) 19時42分

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